【MotoGP】勝敗の分かれ目!? タイヤを巡る水面下の戦い

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

第2戦に続き、第3戦のポルトガルGPも優勝したのはケーシー・ストーナー第2戦に続き、第3戦のポルトガルGPも優勝したのはケーシー・ストーナー エストリルサーキットで行なわれた第3戦ポルトガルGPは、前戦に引き続きケーシー・ストーナー(レプソル・ホンダ)が優勝。ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー)は2位、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ)は3位で、スペインGPとまったく同順位の結果に終わった。

 この3選手のマテリアル面の異同は、見た目どおりホンダとヤマハ、というマシンのメーカー名だ。だが、それ以外にも彼らのバイクは細かな点で異なっている。たとえば、タイヤ選択などは外見からは判別がつかない相違点の最たるものだろう。

 MotoGPのタイヤは、2009年からブリヂストン(BS)が公式サプライヤーとして全選手に提供するワンメーク状態が続いている。とはいっても、全員がまったく同一のタイヤを使用しているわけではない。フロント・リアともに一定の本数枠内で硬めと柔らかめのコンパウンド(ゴムの材質)を持つタイヤを供給し、そのなかから選んだタイヤで選手とチームはフリープラクティスでセットアップを詰め、予選のタイムアタックを行ない、そして決勝レースを戦う。

 硬めと柔らかめのコンパウンドの選択は、気候や気象条件、過去のデータなどを考慮して、たとえばフロントの場合、エクストラハード/ハード/ミディアム/ソフトという4種類の中から、BSが該当レースにもっとも適合する二種類を準備している。

 一般に、硬めのコンパウンドは作動温度域に達するまで若干の時間を要するものの、耐久性に優れている。一方、柔らかめは初期作動性に秀でている反面、後半周回の性能維持では劣る。

 マシンレギュレーションが変更され、エンジン排気量が1000ccになった2012年、BSもそれに応じてタイヤのスペックを変更するように開発を進めてきた。同社モーターサイクルレーシングマネージャー山田宏氏によると、
「作動初期の温まりが良くて乗りやすく、さらに安全性の高いものを目指して開発を進めてきた。具体的には、リアはコンパウンドとタイヤ構造を変え、フロントはコンパウンドだけを変えたものを用意した。コンパウンドは幅広い路面温度域に対応できるよう、構造は少し柔らかくして熱が入りやすくなるよう目指した」という。

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