【F1】可夢偉のザウバーは何番手?見えてきた今シーズンの勢力図。 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 レッドブルはマレーシアでは天候に振り回される形となったものの、メルボルンでマクラーレン勢に肉薄する走りを見せた。予選では振るわないとはいえ、タイムにすればマクラーレン勢との差は0.2秒でしかなかった。また、KERSのトラブルもたびたび発生しており、これによって失うラップタイムも小さくはない。

 セバスチャン・ベッテルはマシンバランスが完全に煮詰まっておらず、彼が得意とする予選一発の"エクストラのコンマ3秒"が引き出せずにいる。マシンを自分の手足のように操ることができるような、「マシン挙動に対する完璧な自信がなければ攻めきれない」のだとベッテルは言うが、それが果たせれば予選のパフォーマンスも昨年のように向上してくるかもしれない。

「次は普通のレースがしたいね。今回は変なことや天候のアヤがあった。僕はまだピレリのウエットタイヤを使ったことがなかったしね。(ウエットの間は)コース上に留まるのに精一杯だったよ」

 キミ・ライコネンがそう語る通り、ロータスはいまだに無難なレースができておらず、実力発揮ができていない。しかし予選ではトップ3に絡んでくるなど、マシンポテンシャルの高さの片鱗は見せている。レッドブルからのエンジニア引き抜きなどもあり、着実に良いマシンを作り上げてきているようだ。

 開幕前の下馬評が高かったメルセデスAMGも、同じようにまだ"普段のレース"ができておらず、ポテンシャルを量るのは難しい。しかし決勝ペースは落ち込みが激しく、まだ上位勢を脅かす存在にはなりきれていないようだ。

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