【F1】可夢偉のザウバーは何番手?見えてきた今シーズンの勢力図。

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

各チームが天候に振り回されたマレーシアGP。優勝はフェラーリのアロンソだった各チームが天候に振り回されたマレーシアGP。優勝はフェラーリのアロンソだった シーズン開幕からの2週連戦が終わり、マクラーレンとフェラーリが1勝ずつを挙げ、ポイントランキングは1位マクラーレン、2位レッドブル、3位フェラーリという結果になった。では、それが今シーズンの勢力図なのかといえば、それは少し違う。

 一発の速さだけでいうならば、マクラーレンが最速の存在であることは間違いないだろう。2戦連続で、予選でフロントローを独占してみせたのだ。

 だが、重要なのは決勝でのロングランペースだ。開幕戦のメルボルンではジェンソン・バトンが圧倒的なペースを見せたが、雨に翻弄されたマレーシアでは2台ともに最初のピットストップで後退してからは目立たないまま終わってしまった。

 しかし、実際にはレースペース自体は悪くなく、2位と好走したセルジオ・ペレス(ザウバー)のファステストラップ連発の影に隠れる形になったが、終盤はむしろマクラーレン勢の方が速いくらいだった。裏を返せば、それだけフェラーリのペースが遅く、ペレスの速さを際立たせてしまったということだ。

「レースペースを比較すれば、まずマクラーレンがいて、その少しだけ下にレッドブル、それからロータス、そしてザウバーといったところではないでしょうか」

 元ブリヂストンのタイヤエンジニアで現在はマクラーレンのタイヤ分析を担い戦略決定に深く関わる今井弘エンジニアは語る。

 マレーシアではハミルトンはピットストップの際に後退し3位に終わってしまったが、ピットレーンの渋滞に引っかかってアロンソの先行を許すという不運がなければ、「前を他車に邪魔されることなくリードを築けた」と言う。現時点では、マクラーレンが予選・決勝ともに最速の存在であると言っていいだろう。

「3位で満足ってわけじゃない。誰かに負けてハッピーではいられないよ。でも目標は常に表彰台に立ち安定した結果を残すことだ。次のレースに向けてもっとレースペースを良くすることに集中したい。そしてもっといい結果につなげたいね」(ハミルトン)

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