【F1】開幕前テストで出揃ったニューマシン。速いのはどのチームか?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Getty Images

バルセロナテストで速さを見せている昨年のチャンピオンチームのレッドブルバルセロナテストで速さを見せている昨年のチャンピオンチームのレッドブル 2回目の開幕前テストが行なわれるバルセロナでメルセデスAMGが新車を発表し、下位2チームを除くほぼ全てのニューマシンが出揃った。

 気になるのはもちろん、どのマシンが速いのかということだ。

 正直に言えば、テストで各マシンの速い・遅いを判断することは非常に難しい。各チームがセットアップやタイヤ評価、空力データ収集などさまざまな目的に沿って走行しているうえ、装着しているタイヤも4種類あり、燃料搭載量も最大で150kgほどの開きがあるからだ(10kg重ければタイムは1周あたり0.3秒ほど遅くなる)。

 それでも、マシンの素性の善し悪しやタイムの安定性、さらにはタイヤに対する優しさなどといった要素は見えてくる。前回のテストが行なわれたヘレスとは違い、バルセロナはマシン性能を試す幅広い要素が凝縮されたサーキットであり、また毎年スペインGPが行なわれる地でもあるため、各チームにとっては走り慣れた場所でもある。そこを舞台に走り込むことで、シーズンの開幕に向けて、ある程度の縮図は見えてくるのだ。

 まずハッキリと言えるのは、今年もレッドブルの速さは揺らいでいないということだ。初日にはセバスチャン・ベッテルがトップタイムを記録し、2日目からはレース週末を想定したシミュレーションを行なうなど、余裕が感じられる。全体的なレースペースのレベルも高い。

 昨年のオフスロットルブローを利用した「ブロウンディフューザー」(エンジンの排気をダウンフォース発生に活用する装置)で得ていたアドバンテージを失い、「まだその失われたグリップを少しずつ取り戻している途上だ」とベッテルは言うが、「クルマのフィーリングは良い」とも言い、レッドブルの優位はまだありそうだ。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る