【競馬】「荒れる」アルゼンチン共和国杯。波乱の主役はルルーシュ

前走オールカマー(4着)からの巻き返しを狙うルルーシュ。前走オールカマー(4着)からの巻き返しを狙うルルーシュ。元ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

ダービージョッキーの大西直宏氏が、元騎手ならではの視点で重賞レースを分析し、3連単、3連複の馬券圏内で狙える"穴馬"を推奨する、この連載。第2回は、GI戦線の合間に行なわれるアルゼンチン共和国杯(東京・芝2500m)。大西氏は"荒れる"ハンデ戦の主役に、前走オールカマー(9月23日/中山・芝2200m)の凡走で人気を下げた実力馬を指名した。

 天皇賞・秋が終わって、秋のGIシリーズはひと呼吸。11月4日(日)は、東京競馬場でGⅡのアルゼンチン共和国杯(芝2500m)が行なわれます。

 高配当決着が多く、波乱の重賞として知られる同レース。芝2400mで行なわれる日本ダービーやジャパンカップから、わずか100mの距離が延長されるだけですが、この100mが意外な駆け引きをもたらします。それは、東京2500mで開催されるレースが少なく、重賞ではアルゼンチン共和国杯と目黒記念があるのみ、というのも影響していると思います。

 スタート地点は登り坂の途中で、1コーナー入り口までの距離も長くなるので、スタートしてからのラップは落ち着きます。しかし、レースはハンデ戦のため、軽量人気薄の馬は先手を取っての粘り込みを狙い、重いハンデを背負う実績のある人気馬が早仕掛けになることで、意外と道中のペースが緩むことなく、芝2400mに比べて持久力勝負になることが多いんです。

 そして今年も、そうした展開が濃厚です。春の天皇賞馬ビートブラック(牡5歳)がトップハンデ59kgで、以下、菊花賞馬オウケンブルースリ(牡7歳)、天皇賞馬マイネルキッツ(牡9歳)、春の阪神大賞典でオルフェーヴルに土をつけたギュスターヴクライ(牡4歳)が58kgと、実績のある馬は重いハンデを背負わされ、最軽量はイケドラゴン(牡7歳)とアースシンボル(牝7歳)の50kgと、重量差がかなりあります。そのうえで、イケドラゴンは逃げ切り勝ちでよく波乱を演出する江田照男騎手が騎乗します。この馬がおそらく逃げて、それを重いハンデの実績馬が早めにとらえにかかるでしょうから、例年どおり、持久力勝負の競馬になるのではないでしょうか。

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