『ウマ娘』で「生粋の挑戦者」として描かれるウオッカの偉業 歴史的な女傑であるゆえん
蘇る名馬の真髄
連載第14回:ウオッカ
かつて日本の競馬界を席巻した競走馬をモチーフとした育成シミュレーションゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)。2021年のリリースと前後して、アニメ化や漫画連載もされるなど爆発的な人気を誇っている。ここでは、そんな『ウマ娘』によって再び脚光を浴びている、往年の名馬たちをピックアップ。その活躍ぶりをあらためて紹介していきたい。第14回は、牝馬として64年ぶりにGⅠ日本ダービーを制したウオッカである。
64年ぶりに牝馬によるダービー制覇を果たしたウオッカ photo by REX/AFLOこの記事に関連する写真を見る「生粋の挑戦者」――公式プロフィールにそう記されているのが、『ウマ娘』のウオッカである。それゆえ、カッコよく生きることを第一に掲げ、どんな無謀な挑戦にも恐れずに突っ込んでいく。
このキャラクターは、モデルとなった競走馬・ウオッカのキャリアを反映したものと言える。競馬史に残る大きな挑戦を敢行し、見事に成功させたヒロイン。ウオッカとは、そんなサラブレッドだったのである。
同馬は2006年にデビュー。その年末には、2歳GⅠの阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を制して、早くも戴冠を遂げた。3歳になってからも、オープン特別のエルフィンS(京都・芝1600m)、GIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)を連勝し、向かうところ敵なしの状況となっていた。
この頃から、ウオッカ陣営は「ダービー挑戦」を示唆し始める。3歳牝馬は本来、春のクラシックとなるGⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)、GⅠオークス(東京・芝2400m)という、同世代の牝馬同士で覇権を争う2戦に挑むのが既定路線だ。しかしウオッカ陣営は、仮に桜花賞を制したらオークスには向かわず、牡馬相手のGⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)に出走すると口にしたのである。
最近は"男勝りの牝馬"も多数登場しているが、あくまで一般的には牡馬優位なのが競馬の常識だ。ダービーにしても、過去に牝馬で勝ったのは1937年のヒサトモ、1943年のクリフジのみ。日本競馬の体系化や整備が進んでからは、牝馬の勝ち馬は出ていなかった。
そうした状況にあって、ウオッカがダービーに挑戦したらどうなるのか、大きな話題となったのである。









