【競馬予想】「穴狙い」の小倉記念で注目すべき血統は? 種牡馬の勝率、牝系の勢いから2頭をピックアップ (2ページ目)
もうひとつ大きなポイントが、リカンカブールがこの休養期間中に去勢し、セン馬になったという点だ。このレースはセン馬の成績がよく、2018年トリオンフ、2013年メイショウナルトと2勝。さらに2022年には、ヒンドゥタイムズが10番人気2着、2021年にはスーパーフェザーが8番人気3着など、人気薄の激走も目立っている。ヒンドゥタイムズも6歳時に、セン馬となって初のレースだった。
また、シルバーステート産駒といえば、同じ6歳世代のセイウンハーデスが、今年5月のGⅢエプソムC(東京・芝1800m)を1分43秒9の好タイムで快勝。同馬は2年ぶりの重賞制覇で、6歳を迎えての成長力を示した。リカンカブールにもさまざまな条件が揃っているため、久々の重賞勝ちに期待する。
【牝系の勢いで大駆けしそうなのは?】
もう1頭はカネフラ(牡5歳、栗東・高橋康之厩舎)を推す。同馬を推す理由は"牝系の勢い"にある。同牝系のカムニャックがGⅠオークス(東京・芝2400m)、キープカルムがGⅢしらさぎS(阪神・芝1600m)と、5月と6月で立て続けに重賞を勝っているのだ。こういう傾向は続きがちなので、狙ってみてもいいだろう。
前走のGⅢ新潟大賞典(新潟・芝2000m)は7着だったが、昇級初戦の重賞初挑戦で展開も不向きながら、4コーナー15番手から悪くない伸びを見せていた。小倉では1戦して8着とコース実績はないものの、本格化前の3歳2月の走りだけに気にする必要はないだろう。
鞍上は、プロ野球の試合で初の始球式を務めて注目度が上がった永島まなみ騎手。同馬とは4戦2勝の成績を残しているコンビで、大駆けに期待する。
以上、今年の小倉記念は、シルバーステート産駒リカンカブール、"旬"の牝系のカネフラの2頭に期待する。
著者プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide
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