【競馬予想】日本ダービーは8頭に「父仔3代制覇」のチャンス その中の本命、対抗となりそうなのは? (2ページ目)
鋭い瞬発力を武器とする脚質も似ている。前走の皐月賞は、道中で他馬と接触してポジションを下げるなどリズムよく進めなかったのが痛かった。ただ、直線では外を回り、2着とはクビ差の3着と鋭い脚を見せた。
敗れた2戦はいずれも中山で、東京では2戦2勝。左回りは3戦3勝と、コース適性は申し分ない。父ドゥラメンテのラストクロップである同馬に、最後のチャンスであるダービー制覇を期待したい。
【もう1頭は地道に経験を重ねた馬】
もう1頭はジョバンニ(牡3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)を推す。父エピファネイアは日本ダービー2着も、産駒ダノンデサイルが昨年に勝利。母系にストームキャットを持つ血統構成もダノンデサイルと共通している。
ジョバンニはここまで6戦2勝。重賞勝ちはなく、オープン以上勝ちは今年2月の若葉S(阪神・芝2000m)のみ。とはいえ、ホープフルS2着、GⅢ京都2歳S(京都・芝2000m)2着と重賞でも好走を続け、前走の皐月賞は4着。その4着は道中不利を受けており、力を出しきれたわけではなかった。
今年のクラシック戦線は桜花賞を勝ったエンブロイダリー、皐月賞を勝ったミュージアムマイル、オークスを勝ったカムニャックと、敗戦の経験を糧に大舞台で花開いたタイプが勝利を飾っている。近年の日本ダービー馬も、2023年のタスティエーラ、2024年のダノンデサイルともに、4着以下の敗戦経験があった。重賞は勝てていないが、地道に経験を重ねた馬が、日本ダービーで初のタイトルを獲得するという結末になれば感動的だ。
以上、今年の日本ダービーは、ドゥラメンテ産駒マスカレードボール、エピファネイア産駒ジョバンニの2頭に期待する。
著者プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide
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