安藤勝己の「3歳牝馬番付」 苦悩の末に選び抜いたクラシックの有力候補 (2ページ目)
小結:トワイライトシティ(牝3歳)
(父エピファネイア/戦績:2戦2勝)
トライアル組では、リステッド競走のアネモネS(3月15日/中山・芝1600m)を勝ったトワイライトシティも楽しみな存在。というのも、その一戦でのレースぶりに見どころがあった。
最後の直線で最内の狭いところに押し込められて、「もうダメか」と思ったところから、馬群を割って伸びてきた。抜け出したときの脚もしっかりしていて、あのしぶとさと勝負根性は評価したい。2戦2勝と負けていないのもいい。
アネモネSはこれまで桜花賞とはあまり縁がなかったけれど、今やチューリップ賞をはじめ、いわゆる王道とされるトライアルと桜花賞との関係が大きく変わりつつある。それを思えば、関東のトライアル、アネモネSからそろそろ上位を脅かすような馬が出てきてもおかしくない。この馬には、その期待が持てる。
ただ、課題もある。アネモネSの勝ち時計は1分35秒7。それを、どこまで詰められるかだ。
関脇:ビップデイジー(牝3歳)
(父サトノダイヤモンド/戦績:4戦2勝、2着1回、3着1回)
ビップデイジーは阪神JFが2着で、前走のチューリップ賞が3着。その戦績から、今年のクラシック戦線では上位の部類に入る一頭と言えるだろう。
前々走と比べて相手関係がきつくなったわけではないのに、前走で着順を落としているのは気になるところかもしれないが、その点について、自分はマイナスにはならないと見ている。なぜなら、阪神JFでは終(しま)いを生かす競馬をしたが、チューリップ賞では先行して、逃げ馬の番手につける競馬をしたからだ。
これは、本番を見据えてのこと。トライアルではよくあることだが、先行してどれだけの脚が使えるのか、試したのだと思う。
その意味で、チューリップ賞で最もトライアルらしいレースをしたのは、この馬だった。しかも、前々走とはまったく違う競馬をしながら、そこまで大きく負けることはなかった。このトライアルの内容は評価したい。本番ではまた本来の差す競馬をすると思うが、チューリップ賞での経験がどう生かされるのか、楽しみだ。
唯一の懸念は、430kg台と馬体が小さいこと。前々走から間隔を空けながら、前走でもマイナス体重だったのが気がかり。桜花賞では上位争いできると思うが、その先はどうだろうか......。
(つづく)◆安藤勝己が選定した「3歳牝馬番付」 ハイレベルな世代の女王候補は?>>
安藤勝己(あんどう・かつみ)
1960年3月28日生まれ。愛知県出身。2003年、地方競馬・笠松競馬場から中央競馬(JRA)に移籍。鮮やかな手綱さばきでファンを魅了し、「アンカツ」の愛称で親しまれた。キングカメハメハをはじめ、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ブエナビスタなど、多くの名馬にも騎乗。数々のビッグタイトルを手にした。2013年1月31日、現役を引退。騎手生活通算4464勝、うちJRA通算1111勝(GI=22勝)。現在は競馬評論家として精力的に活動している。
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