高松宮記念は200万円超えの高額配当が続出中 人気落ち必至の実力馬2頭の大駆けに要注意

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 いよいよ春のGIシリーズが開幕する。その幕開けを飾るのは、スプリントGIの高松宮記念(3月26日/中京・芝1200m)だ。

 昨年は3連単で278万4560円という超高額配当が飛び出す"大荒れ"となったが、2019年にも3連単で400万円超えのビッグな配当が生まれており、爆発力のあるGI戦と言える。

 加えて、現在のスプリント路線は混戦模様。昨秋のGIスプリンターズS(10月2日/中山・芝1200m)も8番人気のジャンダルムが勝利を飾って、今年に入ってからの牡牝混合の芝1200m~1400mの古馬重賞は、1番人気がすべて連対を外している。

 こうした状況を鑑みると、今年も波乱含みだが、はたしてどうか。まずは上位人気が予想される面々について、デイリー馬三郎の吉田順一記者はこんな見解を示す。

「人気になりそうな馬のなかでは、気性から鉄砲のほうがいいメイケイエール(牝5歳)、斤量56.5kgを背負ってハンデ重賞のGIIIシルクロードS(1月29日/中京・芝1200m)を制したナムラクレア(牝4歳)あたりは、上位争い必至と見ます。

 一方で、4連勝で余勢を駆るアグリ(牡4歳)は、初の斤量58kg+芝1200mでは近4走のようにはいかないと思われます」

 続いて吉田記者は、想定される馬場状態についてこう語る。

「今週は週中~週末の天気が微妙で、渋化残りの確率が高そうです。中京コースは先週も道悪馬場で行なわれ、芝の塊がかなり飛んでいましたが、今週からは仮柵を設けたBコースを使用。これによって凸凹した部分が隠れて、良馬場なら前と内が強いトラックバイアスになる見立てでした。しかし、予想される天気の崩れを考えると、脚質不問でチャンスのある馬が増えるのではないでしょうか」

 そんな馬場状態を踏まえ、吉田記者は波乱ムードを匂わせて人気の盲点になりそうな2頭の穴馬をピックアップした。

「1頭目は、前走のGIII阪急杯(2月26日/阪神・芝1400m)で1番人気に推されながら7着に敗れて、人気落ち必至のグレナディアガーズ(牡5歳)です。

 阪急杯は勝ち馬アグリを負かしにいった分、末が甘くなりました。でも逆に、最近の課題だった発馬をしっかり決めて好位で運べたことは、今回につながる収穫と言っていいでしょう。1200m戦に良績がないことを考慮すると、トラックバイアスのある時計の速い馬場より、渋化残りの馬場のほうが歓迎となるはずです」

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