高松宮記念で「絶対王者」の誕生なるか 混戦極めるスプリント戦線に断を下す有力候補3頭

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 昨年のスプリントGI2戦は、GI高松宮記念(中京・芝1200m)ではナランフレグが、GIスプリンターズS(中山・芝1200m)ではジャンダルムが勝利を飾った。

 奇しくも両馬とも8番人気の伏兵。ジャンダルムに至っては当時7歳で、デビューから実に29戦目にしてのGI初勝利だった。

 マイル以下の距離では、圧倒的な強さを誇ったグランアレグリアが引退して1年と数カ月。その後のスプリントGIの結果を見てわかるのは、この路線は混戦だということ。それも、人気薄馬による下剋上が2回続けて起こるほどの、大混戦状態にあるということだ。

 そうした状況のなか、今年も春のGIシリーズの幕開けを告げる高松宮記念が3月26日に行なわれる。はたして、混戦状態はこのまま続くのだろうか。

 出走メンバーを見渡せば、そんな混戦状態に「断を下すかも......」と期待を抱かせる馬が、今年は何頭かいる。

 旧勢力では、一昨年のスプリンターズSの勝ち馬ピクシーナイト(牡5歳)に、前走のGIIIシルクロードS(1月29日/中京・芝1200m)を快勝したナムラクレア(牝4歳)、そして新勢力では、前走のGIII阪急杯(2月26日/阪神・芝1400m)を制して目下4連勝中と勢いに乗るアグリ(牡4歳)と、3頭いる。

目下4連勝中のアグリ目下4連勝中のアグリこの記事に関連する写真を見る このなかで、「スプリント王」の座に就く存在として未知の魅力が一番あるのは、アグリだ。

 昨夏にやっと1勝クラスを勝ち上がったと思ったら、それ以降、それまでの足踏み状態がウソのような快進撃を披露。2勝クラス(11月12日/阪神・芝1400m)で4馬身差の圧勝劇を演じると、続く3勝クラスの六甲アイランドS(12月18日/阪神・芝1400m)も難なく勝ちがって、先述したようにオープン入り初戦の阪急杯も勝って、初の重賞挑戦もあっさりクリアした。

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