スプリングSに前への意識が強い馬が集結 好位差しが見込める伏兵2頭に一発の魅力

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 GI皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)のトライアル戦、GIIスプリングS(中山・芝1800m)が3月19日に行なわれる。

 力関係が固まりつつある時期の3歳重賞とあって、過去10年の1番人気の複勝率は8割と、軸としての信頼度は高い。ただし、勝率はわずか2割。そのためか、2019年の20万円超えを筆頭に、3連単では好配当がしばしば生まれている。

 そういう意味では波乱含みのレースと言えるが、今年は出走メンバーの傾向が例年とは異なり、これまで以上にひと筋縄とはいかない一戦となっている。その点について、日刊スポーツの松田直樹記者が解説する。

「今年のスプリングSのメンバー構成は例年と違って、出走メンバー16頭中10頭がこれまでに逃げを経験。これほどまでに"前"を意識して競馬をしてきた馬たちが出てくるのは珍しいのではないでしょうか。

 皐月賞トライアルという側面があるため、各馬が突飛な戦法を取らないのであれば、どの馬がハナに立つのか、まったく予想がつきません。そこは、今年のレースの序盤戦の見どころになりそうです」

 となると、スタートから熾烈な争いとなり、レース展開としてはハイペースになることが予想されるが、松田記者は「そこまで速くならないのでは」と言う。

「実は、逃げて好走した馬のレースは大半が平均以下のペース。加えて、週末に雨が降ったこともあって、隊列が決まってしまえば、意外と淡々と流れるのではないか、というのが個人的な見立てです」

 松田記者は続けて、そういった状況のなかでの狙い目について語る。

「Aコースでの開催は3週を終えても引き続き先行有利の馬場傾向にありますが、メンバー構成やレース展開を鑑みれば、一発の魅力を感じるのは差し馬。今回の結果が皐月賞へとつながるかどうかは別として、マイル戦である程度の位置から差しきった経験のある馬に食指が動きます」

 そこで、松田記者が穴馬候補として名前を挙げたのは、メタルスピード(牡3歳)だ。

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