シルクロードSは「2021年以降の芝1200m」の種牡馬別成績で絞る。注目は、芝短距離で飛躍しそうな2頭 (2ページ目)
もう1頭はマッドクール(牡4歳、栗東・池添学厩舎)に注目。父ダークエンジェルは2歳の英GⅠミドルパークS(芝6F)の勝ち馬。産駒は、2020年の全欧最優秀スプリンターであるバターシュを出すなど種牡馬としても成功している。日本では12頭が出走して8頭が勝ち上がるという高い勝ち上がり率を誇り、芝1200mでは47戦10勝(勝率21.3%)という好成績を残している。産駒の重賞出走はこれまで2回あり、馬券に絡んではいないが、得意とする芝1200mの重賞は初めてなだけに期待できそうだ。
マッドクールはここまで、中京・芝1200mの2戦を含む4連勝中。前走の知立Sは好スタートからスッと好位につけ、直線に入り満を持して追い出されると、あっという間に抜け出して2着に1馬身半差をつけて完勝。着差以上の力の違いを感じさせる強い内容だった。今回が重賞初出走となるが、十分に通用しそうな走りだった。
しかもこのレースはハンデ戦で、実績馬は重い斤量を背負う馬が多く、マッドクールが前走と変わらない56kgで出走できるのは有利だ。短距離戦線の新星が、5連勝であっさり重賞初勝利を決める可能性も十分だろう。
以上、今年のシルクロードSはビッグアーサー産駒トウシンマカオ、ダークエンジェル産駒マッドクールの2頭に期待する。
【著者プロフィール】
平出 貴昭(ひらいで たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide
2 / 2