アメリカジョッキークラブCは6歳馬が強い。今年の注目はルーラーシップ産駒と、中山で「複勝率100%」の良血馬 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 母の父ディープインパクトも、前述通り中山・芝2200mは得意条件で、AJCCでは2013年にダノンバラード、2016年にディサイファと2頭の産駒が勝利。また、3代母の父サドラーズウェルズは、昨年の勝ち馬キングオブコージ(父ロードカナロア)、2021年の勝ち馬アリストテレス(父エピファネイア)なども母系に持っており、レースと相性がいい血が揃っている。

 さらに、昨年のキングオブコージのほか、2019年シャケトラ、2015年クリールカイザー、2014年ヴェルデグリーンなど、6歳馬が強いのも心強い。そういったデータが期待をさらに高める。

 もう1頭も6歳馬で、ディープインパクト産駒のブラックマジック(牡6歳、美浦・戸田博文厩舎)に注目。重賞レースでの実績はないが、この中山・芝2200mでは2戦2勝。中山全体でも芝2000~2500mまでを4戦して2勝、2着1回、3着1回と複勝率100%を誇る。

 2021年1月に勝利した3勝クラスの迎春S(中山・芝2200m)では、のちにGⅡ目黒記念を勝つウインキートス、GⅡ阪神牝馬Sを勝つデゼル、GⅠエリザベス女王杯で3着に入るクラヴェルなどを破っている。母はGⅠ独オークス(芝2200m)を勝ったナイトマジックという良血でもあり、血の開花に期待したい。

 以上、今年のAJCCはルーラーシップ産駒エヒト、ディープインパクト産駒ブラックマジックの2頭に期待する。

【著者プロフィール】

平出 貴昭(ひらいで たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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