激戦のジャパンC。美女馬券師が「気になる」と警戒するのは凱旋門賞をパスして来日した外国招待馬

  • text by Morinaga Maaya

 対抗はヴェラアズール。異色の経歴を持つ大器晩成型の馬で、ダノンベルーガが優等生だとしたら、対極にいるような馬かな? と思います。ただ、個人的にはこういう馬が大好きなんですよね。

 デビュー前から脚元に不安を抱えていたそうで、初出走は3歳の3月20日と遅めのスタートでした。ダート1800m戦を中心に使われ、デビューから3戦連続2着と惜しいレースを続けて、5戦目にして勝ち上がりました。

 その後もダート戦線で堅実に走っていましたが、今年の3月19日、デビューからちょうど2年の時を経て初めて芝の、2勝クラスの淡路特別(阪神・芝2600m)に出走。しかも、この馬にとって一気の距離延長となる2600m戦でした。

 どうなるのかな? と思って見ていたら、直線に向いて馬群を抜け出すと、外から追ってくる馬を振りきって完勝! 周りも驚くほど、強い競馬を見せてくれました。

 その後は芝のレースを走って、5戦すべてでメンバー最速の上がりをマーク。前走ではついに、GII京都大賞典(10月10日/阪神・芝2400m)で重賞勝ちを決めました。

 ひと言で言うと、「面白い馬だなぁ」と私は思います。こういう馬って応援したくなりますし、私自身が優等生ではなかったので(笑)、こうした特異な馬にはつい惹かれてしまうんです。「他の人がうらやむようなすばらしい履歴書を持っていなくても、ちゃんと勝負できるんだ!」と、勇気をもらえる気がするんですよね。GIでも活躍する姿を見たいです。

 ▲はシャフリヤール。昨年のジャパンCの3着馬。前走の天皇賞・秋は5着でしたが、休み明けを叩いた今回は、さらなる上積みが期待できます。ここ2戦は58kgの斤量を背負っていましたが、今回は57kgと1kg軽くなるのも魅力です。

 今年に入って、ドバイ、イギリス、日本と、3戦それぞれ違う国でコンビを組んできたのは、今回も手綱をとるクリスチャン・デムーロ騎手。短期免許騎手の騎乗とはいえ、いわゆる短期免許騎手への乗り替わりとは違います。人気になると思いますが、陣営がこのジャパンCを勝ちにきているのをヒシヒシと感じますから、怖い存在です。

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