今年のジャパンCは外国招待馬が不気味。凱旋門賞馬アルピニスタ回避も、地力ある面々がズラリ (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 森内智也●撮影 photo by Moriuchi Tomoya

 同馬はデビュー戦こそ2着に敗れたが、その後は長期休養を挟みながら5連勝を飾っており、底を見せていない。しかも、GI初出走となった前走のGIバイエルン大賞(11月6日/ドイツ・芝2400m)では、2着以下に10馬身差をつける圧勝劇を演じている。

 管理するのは、2015年、2016年にナイトフラワー(11着、12着)を、2011年には凱旋門賞馬のデインドリーム(6着)などをジャパンCに送り込んできたペーター・シールゲン調教師。過去の経験からどういった馬が日本の馬場に合うのか十分に分析しているはずで、2015年のナイトフラワーも、デインデリームも勝ち馬とはコンマ5秒差と、時計的には差のないレースをしてきたことを鑑みれば、逆転への"秘策"も備えているのではないか。

 ドイツ調教馬と言えば、渋った馬場を得意とするイメージが強いが、デインドリームは速い時計での決着となった凱旋門賞を制している。意外と高速馬場への適応力もあり、やや荒れてきた今の東京の馬場はなおさら歓迎のクチ。一発あっても、不思議ではない。

 次に、欧州での実績からして侮れないのは、フランス調教馬のオネスト(牡3歳)だ。

 前走のGI凱旋門賞(10月2日/フランス・芝2400m)では馬場悪化もあって10着に敗れたものの、3走前のGIパリ大賞(7月14日/フランス・芝2400m)では後方待機からズバッと差す競馬で快勝。そこで下した面々、同じくジャパンCに参戦する2着シムカミル(牡3歳)が続くGIIニエル賞(9月11日/フランス・芝2400m)を勝利し、4着エルダーエルダロフがGI英セントレジャー(イギリス・芝2910m)を勝っていることを思えば、その実力は高く評価できる。

 さらに、オネストは続く2走前のGIアイリッシュチャンピオンS(9月10日/アイルランド・芝2000m)でも僅差の2着と奮闘。そして今回、日本の競馬をよく知るクリストフ・ルメール騎手を鞍上に迎えたことは、確かな勝算があってこそだろう。不気味だ。

 前述のシムカミル(フランス)も怖い一頭だ。ニエル賞では、仕上がり途上だったとはいえ、ダービー馬のドウデュースを相手にしなかった。

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