天皇賞・秋でわずか1勝も、ディープインパクト産駒の軽視は禁物。レースと縁がある父系のモーリス産駒と共に狙うべし

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 10月30日、東京競馬場で3歳以上によるGⅠ天皇賞・秋(芝2000m)が行なわれる。

昨年の日本ダービーを制したシャフリヤール昨年の日本ダービーを制したシャフリヤールこの記事に関連する写真を見る 今年は日本ダービーのシャフリヤール、皐月賞のジオグリフ、ドバイターフのパンサラッサ、大阪杯のポタジェ、オークスのユーバーレーベンと5頭のGⅠ馬が出走予定。他にもイクイノックス、ダノンベルーガという3歳のトップクラスが出走するのも注目だ。

 このレースを血統的視点から分析していこう。先週のGⅠ菊花賞はディープインパクト産駒アスクビクターモアが勝利。大種牡馬ディープインパクトにとっては5勝目(42戦)の菊花賞勝利だったが、天皇賞・秋ではディープインパクト産駒は52戦1勝とやや苦手にしている。ただ、2着は直近の4年を含めて8回と連対数は多い。

 芝の中距離はディープインパクトにとって得意な条件ではあるので、勝ちきれないレースが多かったのは巡り合わせの悪さなどもあった。勝利が少ないからといって軽視は禁物だ。

 今回、ディープインパクト産駒は3頭が出走予定。中でも筆頭はシャフリヤール(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)だろう。

 昨年の日本ダービー馬で、今年はGⅠドバイシーマクラシックを勝利。日本ダービー馬として初めて、海外GⅠの勝ち馬となった。GⅠ勝ちは2400mと2410mで、芝約1990mの英GⅠプリンセスオブウェールズSは4着。2000mは初めてとなるが、1800mのGⅢ毎日杯(阪神)では1分43秒9のコースレコードを樹立しており、中距離のスピード競馬も得意としている。

 血統も2000mの適性を後押しする。全兄アルアインは2000mのGⅠ皐月賞、GⅠ大阪杯を勝利。母ドバイマジェスティは米GⅠBCフィリー&メアスプリント(ダート7F)を勝ったスプリンターというスピードタイプなだけに、2400mよりは2000mが合うイメージだ。

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