神戸新聞杯は血統的視点からも1番人気には逆らえない。対抗には母系が欧州クラシック血統の人気薄を狙う

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 9月25日、中京競馬場で3歳馬による重賞、GⅡ神戸新聞杯(芝2200m)が行なわれる。

 このレースは、10月23日に開催されるGⅠ菊花賞(阪神・芝3000m)のトライアル競走。通常は阪神・芝2400mで行なわれるが、今年は京都競馬場改修工事の影響で、2020年、21年に続いて中京競馬場での開催となる。過去のレースの傾向は当てはまらないと思われるので、中京・芝2200mのデータを基に、血統的視点からレースを分析していきたい。

春の青葉賞を制したプラダリア春の青葉賞を制したプラダリアこの記事に関連する写真を見る 中京・芝2200mの2012年以降の種牡馬別成績を見ると、ディープインパクトが245戦32勝と、2位ハーツクライの197戦22勝に大きな差をつけており、勝率も13.1%と高い数字を残している。

 変則開催ということもあり、重賞が行なわれた回数は6回と少ないが、そのうち3回がディープインパクト産駒による勝利で、17頭が出走して3勝(勝率17.6%)、2着1回という数字。この神戸新聞杯では2020年にコントレイルが勝利し、2021年にレッドジェネシスが2着に入っている。ちなみに、昨年の勝ち馬ステラヴェローチェ(父バゴ)は母の父がディープインパクトだった。

 今年は4頭のディープインパクト産駒が登録を行なっているが、今回はその中で圧倒的な人気が予想されるプラダリア(牡3歳、栗東・池添学厩舎)を素直に中心視したい。同馬は春のダービートライアル・GⅡ青葉賞(東京・芝2400m)の勝ち馬だ。

 今年1月のデビューから3戦目の未勝利戦(阪神・芝2400m)で、2着に7馬身差をつけて初勝利。青葉賞では道中5番手追走から、直線で力強く差し切る完勝だった。続く日本ダービー(東京・芝2400m)でも同様の競馬で、勝ったドウデュースから0秒9差の5着に好走。1000m通過58秒9のハイペースだっただけに、前目につけて大きく崩れなかったのは評価できる内容だった。

 今回はダービー最先着馬として、堂々たる中心的存在での出走。春は約4カ月半で5戦を消化するややハードなスケジュールだったこともあり、リフレッシュしてさらなるパワーアップも期待できそう。前述の血統的好相性もあり、菊花賞への期待が膨らむ走りに期待したい。

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