小倉2歳Sはディープインパクト系の牝馬に期待。のちにGⅠ戦線へと羽ばたきそうな2頭は?

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 9月4日、小倉競馬場で2歳馬による重賞、GⅢ小倉2歳S(芝1200m)が行なわれる。

 このレースは過去に、2017年のGⅠ桜花賞を制したレーヌミノル(2016年)や、2007年のGⅠスプリンターズSを制したアストンマーチャン(2006年)を勝ち馬として送り出している出世レース。そのほか、2019年に小倉2歳Sで3着に入ったラウダシオンがNHKマイルCを、2017年に7着だったモズスーパーフレアが高松宮記念を勝つなど、のちのGⅠ馬が潜んでいることも少なくない。

今年7月24日の新馬戦を勝ったアウクソー今年7月24日の新馬戦を勝ったアウクソーこの記事に関連する写真を見る 直近2年のレースでも、2020年の勝ち馬メイケイエールは今年のGⅡ京王杯スプリングCなど重賞5勝の活躍、2021年の勝ち馬ナムラクレアも今年のGⅠ桜花賞で3着、次走のGⅢ函館スプリントSを勝利。いずれも、この秋のGⅠ戦線で注目の存在となっている。今年も将来のGⅠ候補が出てくるか注目されるこのレースを、血統的視点から分析していこう。

 小倉2歳Sの特注種牡馬といえば、前述のメイケイエールやナムラクレアの父でもあるミッキーアイルだ。過去2年で4頭の産駒が出走し、2勝、2着1回という抜群の成績を残している。ただ、今年はミッキーアイル産駒の登録がないので、同じディープインパクト系のサトノアラジン産駒・アウクソー(牝2歳、栗東・安田隆行厩舎)を狙ってみたい。

 同馬は今年の7月24日に行なわれた福島・芝1200mの新馬戦で勝ち上がり。14頭立ての大外枠スタートからスムーズに好位に取りつき、楽な手応えのまま直線で先頭に立つと、軽く追っただけで後続を突き放し、2着馬に5馬身差をつけて圧勝した。勝ちタイムは1分11秒0と平凡で相手に恵まれた感もあるが、その勝ちっぷりは将来性を十分に感じさせた。

 父サトノアラジンは、非凡な瞬発力を武器に2017年の安田記念を差しきったマイラーで、この2歳馬が2世代目。まだ重賞クラスは出していないが、今年はアウクソーのほかにウェイビーが札幌・芝2000mの新馬戦を勝ち、続くコスモス賞でも3着に入ってブレイクの予感を漂わせている。

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