北九州記念は高配当決着が多発。ロードカナロア、「小倉巧者」の血を持つ2頭がドラマを起こすか

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 8月21日、小倉競馬場で3歳以上によるハンデ重賞、GⅢ北九州記念(芝1200m)が行なわれる。

 このレースはハンデ戦ということもあり、波乱の決着が多い。2014年は8番人気→13番人気→17番人気の決着で3連単395万3810円、2017年は3番人気→14番人気→15番人気の決着で3連単107万8270円と、過去10年で2回、3連単100万円以上の配当を記録している。

今年2月の北九州短距離Sを勝利したビオグラフィー今年2月の北九州短距離Sを勝利したビオグラフィー 直近2年は、それまでの「2回小倉8日」から「4回小倉4日」に変更。2020年は8番人気→1番人気→10番人気の決着で3連単が9万3990円だったが、4着に15番人気馬が入っており、もし1番人気馬が着外になっていたら3連単は100万円を超えていた。そんな波乱の傾向を頭に入れながら、このレースを血統的視点から分析していきたい。

 2012年以降の種牡馬別「小倉・芝1200m」の成績を見ると、ダイワメジャーが出走518レースで48勝と最多勝。続いてロードカナロアが出走370レースで45勝と続く。勝率ではダイワメジャーが9.3%なのに対し、ロードカナロアが12.2%と逆転し、上位10頭の中でもトップの勝率を記録している。

 今年も多くのロードカナロア産駒が登録しているが、筆者が狙いたいのはビオグラフィー(牝5歳、栗東・藤岡健一厩舎)だ。

 同馬は今年2月、この小倉・芝1200mで行なわれた北九州短距離Sを勝利。稍重馬場を2番手追走からクビ差抜け出すというレースだった。5週連続開催の10日目で馬場も荒れ気味の状態だったが、道中は外目を回りながら、直線でも馬場の真ん中あたりを進んでいた。その後は、GⅢオーシャンS15着、GⅡ京王杯スプリングC10着と重賞で大敗しているものの、今回はハンデ重賞で、実績があるコースだけに狙ってみたい。

 今年の北九州記念は2週間の中休み明けの4日目に行なわれるが、この夏の小倉競馬は12日目ということもあり、馬場はある程度荒れている。昨年、ファストフォースが1分06秒0のJRAレコードで制した2021年のGⅢCBC賞では11着と敗れているように、時計の速い馬場はあまり得意ではないため、条件は今回のほうが合うだろう。

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