アイビスSDは「初物尽くし」でも魅力たっぷりの人馬に一発の期待 (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 要注目なのは、騎手です。日本では馴染みが薄いですが、ホー騎手は香港最強マイラーのゴールデンシックスティの主戦騎手として知られ、香港でもトップ3に入る腕利き。2020年、2021年と香港マイルを連覇した時には、とても腕達者な印象を受けました。

 海外のジョッキーはとても研究熱心ですから、この条件の対策もしっかりと積んできていることでしょう。挨拶代わりとなる最初の重賞となれば、本人も力が入っているでしょうし、どんな手綱さばきを見せてくれるのか、非常に楽しみです。

 そもそも新潟・千直レースに、外国人騎手が乗る機会は少ないです。日本競馬の騎手となったクリストフ・ルメール騎手は過去に2度だけ。ミルコ・デムーロ騎手にしても、19回しか乗っていません。

 外国人騎手が本気でこの条件に取り組んだら、どんな乗り方をするのか、個人的にもすごく興味があります。

 アヌラーダプラもこの条件は初めてですが、以前から「千直を使ったら、面白い存在かも」と思っていた馬。というのも、1200m戦でも行きたがるところが見られることから、気性的にも1000mが向きそうだと感じていたからです。

 さらに、速いペースでも持ったまま追走できるところに、千直向きの資質を感じます。ピッチ走法で、脚の回転で勝負するこの馬には、この条件がピッタリに思えてなりません。

 1年ぶりの実戦が千直というのは常識的に買いづらいですが、ノーザンファームが早くからホー騎手を押さえて、同馬の鞍上を依頼しているということは、それなりに勝負度合いがあっての復帰戦なのでしょう。人馬ともに"初物尽くし"ではあるものの、僕にはとても魅力的な存在に映ります。

 ということで、今年のアイビスSDではアヌラーダプラの好位差しを期待して、同馬を「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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