宝塚記念を血統で分析。春競馬のラストで注目すべきは「ストームキャット」と「オルフェーヴル」の血

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 父ハーツクライは現役時代、4歳時に宝塚記念に出走して2着だったが、産駒は2019年にリスグラシューが勝利し、2014年にカレンミロティックが2着、2019年にスワーヴリチャードが3着に入っている。父系の相性も悪くなさそうだ。

 2200m以上のレースは今回が初となるが、芝1800mのGⅡ中山記念を制したほか、2000mではGⅢ中山金杯を制し、GⅠ香港Cで2着、GⅠ大阪杯で4着と、GⅠでも好走を見せている。今年も日本ダービー馬ドウデュースを出したハーツクライの産駒ならば、2200mは問題ないだろう。管理する堀宣行厩舎は2017年の勝ち馬サトノクラウンも管理していたというのも心強い。6歳にしてのGⅠ初制覇に期待する。

 もう1頭はオーソリティ(牡5歳、美浦・木村哲也厩舎)を挙げる。同馬の父オルフェーヴルは2012年の勝ち馬で、その父ステイゴールドの産駒は2009~2014年の6年間の間にこのレースを5勝と、驚異的な数字を残した。母の父シンボリクリスエスは先日のGⅠ安田記念を勝ったソングライン(父キズナ)の母の父でもあり、"今が旬"の血脈だ。

 オーソリティは母系も優秀で、母の全兄にGⅠ菊花賞、GⅠジャパンCのエピファネイア、母の弟にGⅠ朝日杯フューチュリティSのリオンディーズ、GⅠ皐月賞のサートゥルナーリア。さらに祖母シーザリオはオークス馬という、日本でもトップクラスの名牝系の出身だ。

 昨秋からは安定した走りが続いていて、GⅡアルゼンチン共和国杯を勝利、GⅠジャパンC2着、サウジアラビアのGⅢネオムターフCを勝利、GⅠドバイシーマクラシック3着と、GⅠでも差のない競馬を見せている。充実の5歳を迎えての父仔制覇に期待したい。

 以上、今年の宝塚記念は、ヒシイグアスとオーソリティの2頭に注目する。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る