マーメイドSは高配当確率80%。穴党記者は過去例を重視、軽ハンデの条件馬に狙い (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

「昨年6月以来、およそ1年ぶりの芝挑戦となった前走の3勝クラス・シドニートロフィー(5月21日/中京・芝2000m)は5着に終わりましたが、スタート直後に他馬と接触。二の脚がつかず、後方からの競馬を強いられたことが響きました。

 結局それが災いして、1000m通過が63秒2というスローペースながら、4角でも最後方の競馬。そこから、最後の直線では33秒3というメンバー最速の上がりをマークするも、さすがに勝ち負けに加わるまでには至りませんでした。

 そういう意味では非常にもったいないレースでした。結果はともかく、久々の芝でも十分にメドの立つ内容でしたしね。

 その後は、順調そのもの。1週前には栗東の坂路で、51秒6-12秒1という好時計を記録しています。

 同馬を担当する矢作芳人厩舎の渋田康弘助手も、『疲れはまったくなく、ここまでいい調整ができています。ダートでも結果を残してきましたが、バネのある馬は芝も合いますから』と手応えを口にしていました。スムーズにレースを運んで、前走で見せたキレ味を再び発揮すれば、重賞でも大駆けが期待できるのではないでしょうか」

 大野記者はもう1頭、気になる馬がいるという。

「2頭出しで挑む矢作厩舎のもう1頭、ラヴユーライヴ(牝5歳)です。全姉は世界的な名牝ラヴズオンリーユー。その血統背景から将来を嘱望されていた良血馬ですが、カイバの食いが悪く、体調維持に苦労したことで思うような出世ができませんでした」

 それでも、一戦必勝態勢で出走を重ね、昨秋には3勝クラスを快勝。オープン入りを果たしている。斤量面は条件馬ほど恵まれていないが、ハンデ53kgなら十分にチャンスはあるはずだ。

「今回もカイ食いの不安はありますが、先週には栗東の坂路でしっかりと追われて、50秒7というタイムをマーク。体調のよさがうかがえます。

 前走はGIII愛知杯(1月15日/中京・芝2000m)に挑んで12着に敗れましたが、ゲートを出る態勢が悪く、そこからかかってしまったのが敗因。今回は輸送時間が短い阪神に舞台が替わりますし、スタートを決めれば、巻き返しは可能と見ています」

 今年も高配当必至の"荒れる"牝馬重賞。ここに挙げた2頭がその一端を担ってもおかしくない。

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