シャフリヤールはエリザベス女王の前で偉業達成なるか。馬券が買えるプリンスオブウェールズSの狙い目は?

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 とはいえ相手は強力だ。レースの直前で、重馬場巧者が相次いで出走を取り消したことで全5頭立てとなったが、その分、欧州型の「超スローからの後半勝負」になりやすくなるため、頭数が少なくなったからといって楽観視はできない。

 ブックメーカーで1番人気となっているのは、目下5連勝中のベイブリッジ(牡4歳)。前走のGⅢブリガディアジェラードS(サンダウン・芝2000m)が初重賞だったが、そこで破った相手はGI級の馬たち。その馬たちをまとめて差し切っただけでなく、5馬身差をつけたパフォーマンスからすると、1番人気になるのも納得だ。

 実績でいえば、2年前のこのレースの勝ち馬ロードノース(せん6歳)が最上位。3月に行なわれたGIドバイターフ(メイダン・芝1800m)でもパンサラッサと同着で優勝し、同レース連覇を果たしたように、芝の適性はシャフリヤールと通じる上にコース実績もある。前走のアイルランドGIタタソールズゴールドC(カラ・芝2100m)は4着に敗れたものの、普段よりも前めの位置取りだったことに加え、ひと叩きの向きも強かったことが大きい。

 そのタタソールズゴールドCでロードノースに先着(3着)したのが、ステートオブレスト(牡4歳)。同レースの前まで、アメリカ、オーストラリア、フランスでGIを3連勝していた。馬場を選ばずに結果を出してきた点は評価せざるを得ない。乾いた馬場もこの馬にはプラスに向きそうだ。

 引退を撤回して現役続行の6歳牝馬グランドグローリー(牝6歳)は、昨年のジャパンCに出走して5着だったように、慣れない日本の芝でも好走している。目下2連勝中と勢いもあり、馬場差を味方にできれば、ジャパンCでのシャフリヤールとの差も埋められる算段だ。

 果たして、シャフリヤールは新たな勲章を日本競馬にもたらすのか。レースの行方に注目したい。

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