シャフリヤールはエリザベス女王の前で偉業達成なるか。馬券が買えるプリンスオブウェールズSの狙い目は?

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 現地時間6月14日から18日までの5日間、イギリス・ロンドン近郊のアスコット競馬場で「ロイヤルアスコット」が開催される。

出走するプリンスオブウェールズSに向けて調整するシャフリヤール出走するプリンスオブウェールズSに向けて調整するシャフリヤールこの記事に関連する写真を見る ロイヤルアスコットとは、イギリス王室の主催による競馬開催で、その歴史は300年を超えており、イギリス国内のみならず世界的にも著名な社交界の催しである。開催期間中は毎日、ウインザー城から馬車でエリザベス女王が来場するが、その際のパレードや女王陛下のお召し物の色も、人々の興味の対象になるほどである。

 来場に際しては厳しいドレスコードが設けられていて、場内はまるで絵画の中の世界のような風景となっているのも特徴だ。とりわけ今年に関しては、女王陛下の在位70周年を記念した"プラチナムジュビリー"の一環で祝賀イベントとしての色合いも強い。さらに、この2年は新型コロナウイルスの影響で不完全な形での開催だっただけに、多くのイギリス国民が待ちに待った催しとなっている。

 5日間の開催では毎日GI競走が行なわれ、今年はGIが合計8競走も組まれている。GIに限らず、すべての競走で勝った者には女王陛下や王族からトロフィーなどが手渡されるため、賞金やレースの格付けよりも、その栄誉こそが最大の目標でもある。

 そうした伝統の、かつ記念すべき競馬開催に、日本からは2日目のGIプリンスオブウェールズS(6月15日/アスコット・芝約2000m)に昨年の日本ダービー馬シャフリヤール(牡4歳)が、最終日のGIプラチナムジュビリーC(6月18日/アスコット・芝約1200m)にグレナディアガーズ(牡4歳)が出走する。

 今や世界各地で大レースを勝ちまくっている日本調教馬だが、このロイヤルアスコット開催に関しては、すべてのレースで一度も勝利したことがない。2000年のキングズスタンドS(アスコット・芝約1000m)で、初挑戦のアグネスワールドが2着となったのが最高着順だけに、今年は記念すべき開催での偉業達成に期待がかかる。

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