安田記念は歴代最強スプリンターのイメージとダブる、充実一途のキレ者が再び波乱を起こす

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Kyodo News

 実績で言えば、昨年のレースで3歳馬ながら差のない競馬をした(3着)シュネルマイスター(牡4歳)が最有力でしょうか。昨秋のGIマイルCS(阪神・芝1600m)でも、引退レースで有終の美を飾ったグランアレグリアと接戦を演じて(2着)、同じ馬主のサンデーレーシングの先輩から後輩へ「次期マイル王は任せた」とバトンを受けました。

 今年初戦の海外GIドバイターフ(3月26日/UAE・芝1800m)でまさかの不発(8着)に終わったことは気になりますが、その一戦を叩き台と考えれば、ここは本領発揮の舞台。まともなら、巻き返してくると踏んでいます。

 順調度という点では、前走・GIヴィクトリアマイル(5月15日/東京・芝1600m)組が優位。同じ舞台を経験しているのは強みですし、馬も走りやすいはずです。ここ4年、ヴィクトリアマイル組が毎年連対しているのも、決して偶然ではないでしょう。

 昔と違って、牡馬混合GIでも牝馬が見劣りする時代ではないですから、今後はこのローテからの参戦がより主流になっていくかもしれませんね。なかでも今年は、およそ3カ月の休み明けでヴィクトリアマイルに臨んだ2頭、ファインルージュ(牝4歳)、ソングライン(牝4歳)に上積みが見込めそう。上位候補として考えておきたい存在です。

 他にも、連勝中の上がり馬や斤量の軽い3歳馬など気になる馬はいますが、"レースの中心"という意味では、これら3頭となるでしょうか。

高松宮記念を快勝したナランフレグ高松宮記念を快勝したナランフレグこの記事に関連する写真を見る そんななか、僕が穴馬候補に考えているのは、GI高松宮記念(3月27日/中京・芝1200m)を制したナランフレグ(牡6歳)です。高松宮記念の時にも「ヒモ穴馬」に指名しましたが、距離がマイルになるここでも再度注目しています。

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