日本ダービーでは人馬の信頼関係が不可欠。愛馬ととも成長してきた若武者の一発に期待 (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Kyodo News

 これら4頭は、展開次第、乗り方ひとつで着順が入れ替わる、紙一重の力関係と見ています。どの馬を軸として選ぶかは、人それぞれの好みとなるのではないでしょうか。

 個人的には、イクイノックスが最も軸馬向きと思っています。

「4強」のなかでも最も軸馬向きなイクイノックス「4強」のなかでも最も軸馬向きなイクイノックスこの記事に関連する写真を見る 2歳戦を2戦で切り上げ、およそ5カ月ぶりという異例のローテーションで皐月賞に臨んだのも、最初からダービーを意識していたからでしょう。キャリアはわずか3戦ですが、ルメール騎手とのレースにおけるコミュニケーションは非常に濃密で、ダービーを勝つだけの準備はできていると思います。

 東京・芝2400mという舞台においても、気性面、操縦性、馬体、持続力などを鑑みて、上位4頭のなかで最も適性が高いのは、この馬だと見ています。そのうえで、鞍上のルメール騎手が先週、同じ舞台のGIオークスを制覇。今年のJRAの重賞未勝利という状況を脱したことも、追い風になりそうです。

 人馬のコンタクトという点では、武豊騎手とドウデュースのコンビに一日の長があります。鞍上はこれまでに一度も勝ったことのなかったGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)を優勝したことで、この馬に対する思い入れがますます強くなっていることでしょうし、「ダービーを勝って凱旋門賞へ向かう」という大きな夢もありますからね。

 加えて、武豊騎手はすでにダービー5勝。それ自体がとんでもないことですし、このレースの勝ち方を知っているという点でも、相当な強みがあると思います。

 いずれにしても、有力4頭のゴール前の叩き合いは本当に見応えがあると思います。最後は「ダービーを勝ちたい!」という思いが一番強い騎手が、わずかハナ差でも前に出るはず。ゴール目前からその瞬間までは、一瞬たりとも目が離せませんね。

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