大波乱もあるヴィクトリアマイル。過去に高配当を演出した3パターンから浮上する3頭の穴馬 (2ページ目)

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 昨年は5番人気で3着と好走した同馬は、続くGIIIクイーンS(函館・芝1800m)でも2着と奮闘したが、その後は苦戦が続いている。しかし、前走のGII阪神牝馬S(4月9日/阪神・芝1600m)では、勝ち馬からコンマ4秒差の5着。復調気配を見せており、ゲンのいい舞台で再び躍動する可能性は大いにある。

 次に狙いたいのは、「前走で重賞を勝ちながら低評価にとどまりそうな馬」である。こうしたタイプも過去に度々好走を果たしているからだ。

 2015年に12番人気で2着に飛び込んできたケイアイエレガント、2020年に4番人気で2着に入ったサウンドキアラ、2021年に10番人気で2着と健闘したランブリングアレーがいい例だ。

 今年、このパターンで浮上するのは2頭いる。ソングライン(牝4歳)とメイショウミモザ(牝5歳)である。

 ソングラインは前走で海外重賞の1351ターフスプリント(2月26日/サウジアラビア・芝1351m)を、メイショウミモザは前走で阪神牝馬Sを制している。

 ただし、過去例に挙げた3頭は、いずれも国内の重賞を勝って本番に臨んでいる。その点を重視すれば、海外帰りのソングラインよりも、メイショウミモザのほうに食指が動く。

 最後に、前走の「阪神牝馬Sで2着となった馬」に着目したい。というのも、そうした臨戦過程を踏んできた馬の好走例も目立っているからだ。

 たとえば、2012年に3番人気で3着に入ったマルセリーナ、2016年に1番人気で2着となったミッキークイーン、2017年に6番人気で勝利したアドマイヤリード、2018年に7番人気で3着に食い込んだレッドアヴァンセ、2021年に5番人気で3着と善戦したマジックキャッスルらがそうだ。

 そして今年も、同様のパターンで激走が見込める馬がいる。アンドヴァラナウト(牝4歳)である。

 昨秋には、GIIローズS(中京・芝2000m)を快勝し、GI秋華賞(阪神・芝2000m)でも3着に入線した同馬。今年初戦のGIII愛知杯(1月15日/中京・芝2000m)では11着と惨敗したものの、前走の阪神牝馬Sでは2着に入って改めて力があることを示した。こうした実績を踏まえれば、一発あっても不思議ではない。

 過去の傾向、さらにはいまだ1番人気が勝っていない春のGIシリーズの流れから、今年も波乱ムードが充満している古馬牝馬の頂上決戦。ここに名前を挙げた面々のなかに高配当を演出する存在がいるかもしれない。

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