三冠牝馬デアリングタクト、復活の可能性は? ヴィクトリアマイルでの走りを考える (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Sankei Visual

 繋靭帯炎から復活した馬と言えば、フェノーメノがいる。同馬は2013年の天皇賞・春を制覇し、その年の秋に繋靭帯炎を発症。およそ5カ月間の休養を余儀なくされたが、翌年の天皇賞・春で連覇を遂げた。ただし、復帰初戦のGII日経賞では5着に敗れている。

 先述の競馬専門紙記者が再び語る。

「デアリングタクトには、ヴィクトリアマイルのあと、GI宝塚記念(6月26日/阪神・芝2200m)出走の予定があると聞いています。そして、もしそこで好走して馬体に問題がなければ、秋にはGIジャパンCに出走する計画もあるようです。

 とにかく休養が長かったですからね。いきなりメイチの勝負というのではなく、本当の勝負は、次か、その次になると見ています。

 そういう意味でもヴィクトリアマイルは、いわば"脚慣らし"の一戦。馬券に絡めなくとも、レースでデアリングタクトらしさを見せてほしい。この一戦に関しては、それが陣営の望んでいることではないでしょうか」

 勝ち負けよりも、いかに"らしさ"を見せられるか。

 デアリングタクトにとって、復帰初戦のヴィクトリアマイルはその点が最大のテーマと言えそうだ。

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