NHKマイルCは多士済々のメンバー構成ゆえ「荒れる」。狙いは人気の盲点となるクラシック組 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 さらに坂本記者は、舞台が東京に変わるのも「プラス」と見てこう続ける。

「新潟の新馬戦(芝1600m)や、中京のオープン特別・紅梅S(芝1400m)を勝っているように、ワンターンの左回りの舞台は歓迎でしょうし、終(しま)いの伸び脚には非凡なものがあります。こうした素質馬が人気を落とすようなら、馬券的な妙味は一段と膨らみます」

 坂本記者はもう1頭、オススメがいるという。こちらも激戦の桜花賞で奮闘した1頭だ。

アルーリングウェイ(牝3歳)です。同馬は前で立ち回れる器用さから、マークしておきたいと考えています。

 新馬戦(1着。阪神・芝1200m)、1勝クラスの万両賞(2着。阪神・芝1400m)と1ハロンずつ距離を延ばしてきて、初のマイル戦となったオープン特別のエルフィンS(2月5日/中京・芝1600m)でも正攻法の競馬で、危なげない勝ちっぷりを披露しました。

 桜花賞では好位4番手でレースを運びながら、馬群が一団となる競馬で終始揉まれるタフな展開。直線に入ってからも、内から弾かれた馬のあおりを食らうシーンがありました。それでいて、最後までしぶとい走りを見せて、勝ち馬からコンマ2秒差の8着。悪くない内容だったと思います。

 NHKマイルCでは、ジャングロ(牡3歳)やキングエルメス(牡3歳)など前に行きたい有力馬がいて、どんな流れにも対応できるのは強みになると思います」

"大荒れ"も見込める3歳馬によるマイルGI。熾烈な争いとなった牝馬クラシックを経て、逞しさを増した牝馬2頭が高配当をもたらしてくれるかもしれない。

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