横山ルリカが天皇賞・春の「2強」をガチ分析。かたや「不安要素なし」、かたや「印を落とす」

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

 そして2強のもう1頭、タイトルホルダーについては、GI有馬記念後の一頓挫(いっとんざ)と、究極のスタミナ勝負になった時にまだ不安が残るので、ディープボンドよりは印を落とします。

 有馬記念のあとにいったん今春の予定が白紙になって、そこからGⅡ日経賞も決して万全ではないなかけっこう苦戦して勝った印象なので、状態面は気になっています。またマークもきつくなり圧勝したGI菊花賞のように逃げられず、タイトルホルダーをラクにいかせない馬が出てきた時にどこまでやれるかも未知数です。ただ、菊花賞馬はこの10年で6勝しているというデータもあるので、消しにはできません。

注目する「穴」候補は?

 今回は意外と穴でおもしろい馬がけっこういて、見れば見るほど買い目が増えてしまいそうです。

 まず、ヒートオンビート(牡5歳)ですね。去年も同じ友道厩舎のワールドプレミアが、日経賞上がり最速を記録した3着からのローテーションで天皇賞・春を勝利しました。今年は友道厩舎のヒートオンビートが同じローテで臨んでくるということで、今が充実期だと思いますし注目しています。

 アイアンバローズ(牡5歳)はオルフェーヴル産駒でスタミナがあり、GⅡステイヤーズSと阪神大賞典をともに2着と好走しています。両レースを好走した馬は天皇賞・春での成績がいいので注目です。近2走は前めで運んで差のない2着になっているように、自分で競馬をつくれるのは強み。2012年に石橋脩騎手が乗って1枠1番で勝利したビートブラックのイメージと重なります。たたいてよくなるタイプだと思うので、上積みに期待しています。

 マカオンドール(牡4歳)は、阪神大賞典3連覇しているゴールドシップの仔というのもいいです。あと松山弘平騎手に手が戻るのもいいですね。前走の阪神大賞典は1000m63秒1の超スローで、後方で脚を貯めるタイプにはキツい展開のなか4着でしたが、今回のほうがたたかれて状態もよくなっていると思いますし、GⅠで持久力勝負になる可能性は高い。展開も前走より向いてくるのかなと思います。

 シルヴァーソニック(牡6歳)はオルフェーヴル産駒で、阪神での成績もいいですし、左回りより右回りの成績のほうが断然よく、3000m以上では一度も馬券圏外になったことがないので注目しています。

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