天皇賞・春は本当に「2強」で決まるのか。過去データから浮上する激走候補にご用心

  • text by Sportiva
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 さらに、波乱を起こす"穴馬探し"という点を考慮すると、今回は「2強」と称されて上位人気が予想されるタイトルホルダー(牡4歳)とディープボンド(牡5歳)もここでは外してもいいだろう。

 残ったのは、クレッシェンドラヴ(牡8歳)、ディバインフォース(牡6歳)、テーオーロイヤル(牡4歳)、マイネルファンロン(牡7歳)、ユーキャンスマイル(牡7歳)の5頭。それぞれ甲乙つけ難く、高配当を運んでくる"使者"としてオススメだが、特に面白い存在と言えるのは、クレッシェンドラヴマイネルファンロンだ。

 その理由は、2頭がステイゴールド産駒だからである。

 天皇賞・春における種牡馬の成績を見てみると、過去10年ではディープインパクト、ステイゴールド、ハーツクライの3頭が際立っている。そのうち、最多4勝という実績を誇るのが、ステイゴールドだ。

 ステイゴールド産駒というのは、間違いなくこの舞台に強い血統。ならば、今年はクレッシェンドラヴとマイネルファンロンが大駆けを遂げても不思議ではない。

天皇賞・春は過去3年連続でディープ産駒が優勝。今年は同産駒唯一の出走馬、トーセンカンビーナに期待がかかる天皇賞・春は過去3年連続でディープ産駒が優勝。今年は同産駒唯一の出走馬、トーセンカンビーナに期待がかかるこの記事に関連する写真を見る ちなみに、種牡馬の観点からいくと、天皇賞・春は現在、ディープ産駒が3連勝中。そして今年は、出走予定メンバーのなかに1頭だけディープ産駒がいる。トーセンカンビーナである。

 トーセンカンビーナは最初に挙げた「消し」の材料によって、すでに候補馬から外れているが、血統面から考えると、非常に捨てがたい1頭。余裕があれば、押さえておいてもいいのではないか。

 今年で165回目を迎え、最も長い歴史を持つGI戦。これまでも歴史に残るような名レースが展開されてきたが、今年はどんなドラマが生まれるのか。そんなレースの楽しみとともに、穴党なら歴史的な大波乱も期待したいところ。その一端を担う馬がここに挙げた面々のなかにいるかもしれない。

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