マイラーズCは「阪神・芝1600m」の重賞でダントツの勝利数を誇る、ディープインパクト産駒から2頭をピックアップ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 その前走と、2着に入った京王杯2歳Sともに1400mだが、新馬戦は1600mを不良馬場で逃げ切るという競馬だった。朝日杯フューチュリティSでもNHKマイルCでも大きく負けていないため、距離に関する不安はないだろう。

 母パーフェクトトリビュートは、芝7Fの英GⅢチャートウェルフィリーズSの勝ち馬。母系にはドバウィ、インヴィンシブルスピリット、サドラーズウェルズと欧州の名種牡馬が並んでいる。母系にダンチヒとサドラーズウェルズを持つ血統構成は、GⅠ英2000ギニーのサクソンウォリアーなどが出た成功パターンだ。血統的にも筋が通っており、重賞初制覇、その先のさらなる飛躍に期待したい。

 もう1頭もディープインパクト産駒から、レッドベルオーブ(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)を挙げたい。ロードマックスとは馬齢も厩舎も同じというプロフィールだが、本馬はすでに重賞を勝っており、実績では一枚上の存在。そのレースは2歳11月のGⅡデイリー杯2歳Sで、今回と同じ阪神・芝1600m戦だった。

 しかもその時のタイムは1分32秒4の2歳コースレコード。展開や馬場状態の違いはあるが、昨年のGⅠマイルチャンピオンシップでグランアレグリアが記録した1分32秒6を上回る、極めて優秀なものだった。

 同馬はそれ以降、GⅠ朝日杯フューチュリティSで3着と敗れ、3歳となりGⅠ皐月賞で8着となったあと、骨折のため休養を余儀なくされた。だが、前走の六甲S(阪神・芝1600m)で復帰。14㎏増と余裕残しの仕上げだったようで、7着に敗れている。ひと叩きされ、重賞を勝った時と同じ舞台で復活といきたい。

 以上、今年のマイラーズCは、ロードマックス、レッドベルオーブのディープインパクト産駒2頭に期待する。

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