桜花賞は末脚自慢の「3強」が有力も、乗り替わりがプラスに働く伏兵に一発の可能性 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 阪神JFを制した「2歳女王」サークルオブライフ(牝3歳)は、チューリップ賞では3着でした。これまでの追い込み競馬から一転、先行策をとりましたが、いかにもトライアルらしい騎乗だと感じました。おそらく本番を意識して、乗り方の幅を広げるための試走だったのでしょう。

 結果はともかく、こういう競馬もできることがわかったのは収穫です。ひと叩きして、型どおりの良化が見られる今回こそ、本領発揮となりそうですし、有力候補の1頭と見ています。

 別路線で注目すべきは、冒頭でもふれたGIIIクイーンC(2月12日/東京・芝1600m)を勝ったプレサージュリフト。こちらもナミュールと同じハービンジャー産駒で、直線一気の末脚を武器にしています。

 実際、馬のタイプはナミュールと非常によく似ています。出遅れ癖など、まだまだ荒削りな部分はあるものの、追い出してからの脚の回転力の速さ、優れたギアチェンジには目を見張るものがあります。

 初めての関西輸送、初の右回りコースなど、キャリアが浅い分だけ克服すべき課題は多いですが、ポテンシャルそのものはGIでも通用するモノを秘めていることは確かです。

 ここまでにとり上げた3頭はいかにも桜花賞向きで、下馬評が高いのも頷けます。末脚を武器にするこの3頭は、レースでは各々がライバルの動き出しを意識し合った乗り方をしてくるはず。そして、戴冠へ一番近づくことができるのは、流れにかみ合った競馬ができて、その仕掛けのポイントが最もハマッた馬だと思います。

桜花賞での一発が期待されるベルクレスタ桜花賞での一発が期待されるベルクレスタこの記事に関連する写真を見る ところで、僕にはこの3頭以外で、どうしても気になっている馬が1頭います。吉田隼人騎手が騎乗するベルクレスタ(牝3歳)です。

 3走前のGIIIアルテミスS(10月30日/東京・芝1600m)ではサークルオブライフと、前走のクイーンCではプレサージュリフトと、差のない競馬を見せています。この馬も乗り方ひとつで、上位に争いに加われる1頭だと思っています。

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