世代屈指のキレ味を秘めるナミュール。クラシック制覇へ、陣営の手応えはいかに? (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

 前哨戦で文句なしのレースを見せて、いい形で桜花賞を迎えるナミュール。ジョッキーや厩舎スタッフもその才能を高く評価しているという。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「チューリップ賞を終えたあと、鞍上の横山武史騎手が『スムーズなレース運びとは言えなかったけど、高い能力を見せてくれた』と言えば、厩舎スタッフも『ギアの入りがよく、ゴーサインを出したときの反応もすばらしい』と褒めちぎっていました。

 阪神JFでは出遅れましたが、その点についても『その後、しっかり修正しており、もう大丈夫だと思います』とスタッフ。大一番に向けて、視界は良好といった感じでした」

 当面の目標はもちろん桜花賞だが、そのあとには牝馬クラシック第2弾のGⅠオークス(5月22日/東京・2400m)も控えている。それぞれのレースに向けて、陣営はどんな展望を描いているのだろうか。先述のトラックマンが続ける。

「距離延長について陣営は、『どのくらい適性があるか、まだわからない』と話していました。それだけに『まずは桜花賞へ、いい状態で向かいたい』ときっぱり。馬体重が430kg~440kgほどで、線の細さが唯一の不安材料になっているようでしたが、スタッフは『(本番に向けて)少しでも体が大きくなるよう、しっかりと作っていきたい』と、最後まで前向きな姿勢を崩していませんでした」

 デビューから全4戦で上がり33秒台をマーク。圧巻のキレ味を見せるナミュールが、待望の「女王」の座に就くことができるのか。注目の決戦まで、まもなくである。

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