大阪杯はディープインパクト産駒が中心。苦しむ昨年王者の復活をあらゆるデータが後押し (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 この1年は勝利からは遠ざかっているが、前走の金鯱賞で道中4番手から末脚を伸ばしたレース内容は、十分な成長を感じさせるものだった。ディフェンディングチャンピオンではあるが、今回は「エフフォーリアvsジャックドール」の対決が最大の焦点となりそうで、昨年同様に気楽な立場で臨めるのは大きく、逃げなくても力を出せそうなのも心強い。

 昨春以降の連敗は宝塚記念、オールカマー、エリザベス女王杯と2200mの距離も影響していたとも思える。実際に国内の2000mでは2勝、2着1回と連対を外していない。さらに、前走は初の中京で左回り得意のジャックドールに敗れたが、5戦3勝、3着1回と結果を残している阪神に対決の場が替わるのは間違いなくプラスだ。

 斤量も、金鯱賞ではジャックドールと同じ56kgだったが、今回はジャックドール57kg、レイ パパレ55kgと2kg軽くなる。ジャックドールとの差は縮まりそうだし、55kgで出走できるのは大阪杯以来でもあり、430kg前後と小柄なレイパパレにとってこの斤量減は大きい。

 レイパパレはディープインパクト以外にも、このレースと相性のいいクロフネが母の父というのもポイント。2017年2着のステファノス(父ディープインパクト)、2020年2着のクロノジェネシス(父バゴ)も母の父がクロフネだ。あらゆるデータから強調材料が揃っているレイパパレの連覇に期待する。

 もう1頭もディープインパクト産駒からレッドジェネシス(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)を挙げたい。直近の2走はGⅠ菊花賞13着、GⅡ京都記念13着と大敗続きだが、菊花賞はイレ込み、京都記念は道中で他馬と接触と敗因は明らかなだけに修正してくるだろう。

 気難しい面があってアテにしづらいタイプだが、昨年のGⅡ京都新聞杯(中京・芝2200m)を勝ち、阪神でも未勝利戦(芝1800m)、ゆきやなぎ賞(阪神・芝2400m)を勝っているため、実力的にもコース適性的にもここに入って通用するはずだ。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る