ウマ娘では一流を目指すキングヘイロー。実際も、GⅠ勝利まで21戦挑み続けた超良血馬 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 世界的な名血で、デビューから3連勝でGIII東京スポーツ杯3歳(旧表記・以下同)ステークス(東京・芝1800m)をレコードで制したとあって、翌年のクラシックの主役として大きな期待を集めることとなったキングヘイローだが、3歳4戦目のGIIIラジオたんぱ杯3歳ステークス(阪神・芝2000m)で2着に敗れ、そして4歳を迎えて以降は強力なライバルが立ちはだかる。そう黄金世代と呼ばれる同期のライバルたちだ。

 GII弥生賞(中山・芝2000m)では、スペシャルウィークが勝ち、キングヘイローは3着。G I皐月賞(中山・芝2000m)は、スペシャルウィークに先着を果たすもののセイウンスカイを捉えきれずに2着。GI日本ダービー(東京・芝2400m)は、スペシャルウィークが優勝し、自身は暴走もあって14着に沈んだ。

 秋のGII京都新聞杯(京都・芝2200m)ではクビ差までスペシャルウィークを追い詰めながらも2着。GI菊花賞(京都・芝3000m)ではセイウンスカイの世界レコードの前に5着。そしてGI有馬記念(中山・芝2500m)では、グラスワンダーの豪脚の前に6着と敗れた。

 5歳を迎えて、GIII東京新聞杯(東京・芝1600m)、GII中山記念(中山・芝1800m)と連勝し、今度こそGI獲りの機運が高まるが、エアジハードが優勝したGI安田記念(東京・芝1600m)では2番人気ながらも11着と惨敗。

 続くGI宝塚記念(阪神・芝2200m)ではグラスワンダーがグランプリ連勝を飾り、自身は8着に敗れた。そしてGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)では、またしてもスペシャルウィークが勝ち、キングヘイローは7着。GIマイルチャピオンシップ(京都・芝1600m)では直線半ばで抜け出すも、エアジハードの末脚の前に2着に終わってしまう。

 その年の暮れのGIスプリンターズステークス(中山・芝1200m)3着を経て、年が明けた6歳初戦は、意地でもキングヘイローをGIで勝たせたい陣営が、母グッバイヘイローがアメリカのダートGI馬であることも踏まえ、ダートのGIフェブラリーS(東京・ダート1600m)へ向かう。

 しかし、2番枠のスタートから終始、砂を被る形になって13着と惨敗。ここで勝ったのも同世代のダート最強馬ウイングアローだった。

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