実績不問の難解な一戦。腕ぶす穴党記者がフィリーズレビューで狙いを定めた伏兵2頭 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

「加えて、今回は1勝クラスを勝ち上がった前走(2月12日/阪神・ダート1400m)と同じ距離の1400m戦。同馬を管理する中竹和也調教師も、『スピードが勝ったタイプなので、1400mという距離はいい』と好感触を示していました。

 さらに、ダート戦の前走で『芝スタートでも速かった』と中竹調教師。同じ週にはダートのオープン特別・昇竜S(3月13日/中京・ダート1400m)があるものの、そちらには登録せずにこちらへ参戦してきた、という点でも勝負気配を感じます。

 今の阪神芝は外差しが決まりづらく、内を通った馬が有利です。コンクパールも自慢のスピードを生かして内ラチ沿いを走っていければ、粘り込みが期待できます」

 太田記者が次にピックアップしたのは、マイシンフォニー(牝3歳)。前走で未勝利戦(2月12日/阪神・芝1800m)を勝ち上がったばかりだが、同馬の上昇度に注視する。

「初勝利までに4戦も要したマイシンフォニー。その実績だけ見ると厳しいように感じられますが、デビューから3戦はやや重、やや重、重と湿った馬場に足を引っ張られた印象が強いです。

 実際、前走の未勝利戦では待望の良馬場となって、後続に1馬身差をつけての快勝。約4カ月半のブランクも、ものともしませんでした」

 ただ、マイシンフォニーはここまでマイル戦を2度、1800m戦を2度使われて、連対した2戦はともに1800m戦だった。そうなると、今回の1400mという距離に対応できるのか、不安はないのだろうか。太田記者はこんな見解を示す。

「母のテディーズプロミスは現役時代、アメリカのダート1400m戦のGIを制覇。血統的には適性があると見ています。それに、初戦から手綱をとっている武豊騎手も『素質があるし、期待している馬。1400mなら、折り合いの心配がなくなる。チャンスはあると思う』と前向きなコメントをしていました。

 また、今回も良馬場で行なわれそうなのは好材料。状態面についても、管理する松永幹夫調教師が『(休み明けを一度使って)叩いた効果はある』と上積みを見込んでいます。未勝利戦を勝ち上がったばかり、ということで軽視されるようなら、配当的な妙味も十分にあると思いますよ」

"荒れる"トライアル戦として知られるフィリーズレビュー。今年はここに名前が挙がった2頭に要注意である。

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