「まだ素質だけで走っている」プレサージュリフトの秘めたポテンシャルが大一番で炸裂するか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第10回:プレサージュリフト

 3歳牝馬クラシックに向けて注目度の高いステップレースのひとつ、GIIIクイーンC(東京・芝1600m)。今年のレース(2月12日)でも、将来性のある逸材がデビュー2連勝を飾って、大一番への有力候補として名乗りを上げた。

 美浦トレセンの木村哲也厩舎に所属するプレサージュリフト(牝3歳/父ハービンジャー)である。

豪快な末脚を繰り出してクイーンCを制したプレサージュリフト豪快な末脚を繰り出してクイーンCを制したプレサージュリフトこの記事に関連する写真を見る 同馬は昨秋の2歳新馬(10月24日/東京・芝1600m)でデビュー。大外16番枠から発走し、スタートで出遅れた。それでも、慌てることなく、後方を追走。3コーナーすぎから大外を徐々に進出して直線を迎えた。

 ポジションは11番手。先頭との差はかなりあったが、持ったままで大外から着実に脚を伸ばしていってライバルたちをかわしていく。そして、残り200mで軽く仕掛けると、さらに加速。逃げるローシュタインを瞬時にとらえて突き抜けた。

 メンバー最速の上がり33秒3という好時計をマーク。最後は後続に3馬身差をつける圧勝劇だった。

 続いて挑んだのが、クイーンC。ここでも出遅れて、後方から競馬を進める。再び大外を悠々と運んで、初陣と同じく直線で大外から強襲を狙った。

 さすがに重賞とあって、楽々と突き抜けることはなかったものの、またも際立った末脚を披露。残り200mで先頭に立った1番人気スターズオンアースをゴール前できっちりかわして鮮やかな勝利を飾った。

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