力ある先行馬が集った金鯱賞。末脚秘めた伏兵2頭が波乱を演出か (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

「最後の最後までもつれる展開もあると想定するなら、同馬は狙い目です。前走のGIIアメリカジョッキークラブC(1月23日/中山・芝2200m)では5着に敗れましたが、調整過程で順調さを欠くところがあって、追い切りの動きも冴えないものでした。

 それに、最大の敗因となったのは、トリッキーな中山コースにあって、勝負どころで動ききれなかったこと。本質的には左回りのほうがスムーズに走れますし、息の長い末脚を生かすには、中京コースは合っていると思います。

 また、今回は順調に攻め馬を積んでおり、走れる態勢が整っています。もちろん、上位進出を狙うには展開の助けが必要なタイプですが、昨年もデアリングタクトに半馬身差の3着と健闘。しぶとさが生きる流れになりそうなここは、首位争いも可能と踏んでいます」

 金鯱賞での大駆けが見込まれているソフトフルート 金鯱賞での大駆けが見込まれているソフトフルートこの記事に関連する写真を見る 大野記者はもう1頭、気になる馬がいるという。

「大穴候補として注目しているのは、ソフトフルート(牝5歳)です。前走のGIII愛知杯(1月15日/中京・芝2000m)は、スタートで少しヨレて後方から。その後はスムーズに運んでいたのですが、勝負どころで包まれ気味になって、4コーナーでは大外を回るロスを強いられました。それでいて、1000m通過が62秒3というスローな流れでしたから、さすがに最後は届かない形となりました。

 結果、牝馬限定の愛知杯で4着。一見すると、今回は一気の相手強化で厳しい感じがします。しかし、3歳時にはGI秋華賞(京都・芝2000m)で3着と好走し、昨年のGIエリザベス女王杯(阪神・芝2200m)でも4着と善戦。GIでも通用してきた末脚は、ここでも通用するはずです。

 しかも、内で脚をタメることができるのが、同馬の大きな武器。馬場のいいところをじっくりと進んで、最後に温存していた末脚を爆発させて、うまく馬群をさばくことができれば、大駆けがあっても不思議ではありません」

 今年はハイペースが見込まれる金鯱賞。決め手を秘めた2頭が波乱の立役者となるのか、必見である。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る