毎年「荒れる」シルクロードS。穴党記者が確信をもって推すのは上昇気流に乗る2頭 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 出来に関してはよく見えるジャンダルムも、スタートの不安は拭えません。それでいて、トップハンデというのがどうなのか。また、前走のGIスプリンターズS(10月3日/中山・芝1200m)で4着と善戦したメイケイエール(牝4歳)も、気性的な成長は感じられず、1200mでも折り合いへの不安は尽きません。そうなると、55kgという斤量が余計に響いてきそうな気がします」

 続けて吉田記者は、父ロードカナロア、母カレンチャンという超良血馬のカレンモエ(牝6歳)についても疑問視する。

「前走のGIIセントウルS(9月12日/中京・芝1200m)が5着と案外でした。走法や脚元から一戦必勝態勢のスタイルで、仕上げには抜かりがありませんが、タメていい脚を使うタイプではなく、スピードを前面に生かす乗り方がベターな馬。今回も斤量が55kgに増えて、スムーズな前づけができないと、勝ちきるのは厳しいかも......」

シルクロードSでの大駆けが期待されるエーポスシルクロードSでの大駆けが期待されるエーポスこの記事に関連する写真を見る ここまで有力馬たちに厳しいジャッジを下してきた吉田記者。では、どの馬が狙い目となるのか。最初に名前を挙げたのは、エーポス(牝5歳)だ。

「牝馬でハンデ55kgとなりますが、前走のオープン特別・ラピスラズリS(12月5日/中山・芝1200m)でも同斤量を背負って、およそ1年9カ月ぶりの美酒を味わいました。立て直した効果と、初めての1200m戦がマッチした印象です。胴は長いのですが、トモ高+肩の角度や回転の速いピッチ走法から、スプリント戦での適性の高さが感じられました。

 前走では直線で狭いところをさばきつつ、ゴール前で一気に爆発して抜け出す芸当を披露。今週の追い切りでもキレッキレの動きを示していて、今回も同じ戦法でOKでしょう。つなぎが短くブレない走法で、今の中京の荒れ馬場も問題ありません。連勝を飾って、勇躍GI戦線に名乗りを上げてもいい1頭ですよ」

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