堤礼実アナが選んだ2021年GIレース「ベスト3」。1位に輝いたのは? (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 続いて2位は、有馬記念。この勝利を通じて、エフフォーリアの実力が確固たるもの、誰もが認める揺るぎないものになった、という意味で記憶に残るレースです。

 エフフォーリアが強さを示した、ということで言えば、天皇賞・秋も印象的です。正直、どちらにしようか、ものすごく悩みました。

 ダービーこそ、シャフリヤールに僅差で敗れましたが、天皇賞・秋ではコントレイル、グランアレグリアら強豪古馬を一蹴。私自身、「やっぱり、この馬は強いんだな」と、改めて思わされるレースでしたから。

 天皇賞・秋のほうを評価するファンの方も多いかと思いますし、エフフォーリアにとっても重要なポイントとなるレースであったことは確かです。それでも、有馬記念という年末のグランプリレースを勝ったことによって、エフフォーリアは"現役最強馬"という称号を手にしたような気がするのです。

 しかも、有馬記念では距離を不安視されるなか、悠々と勝ちきりました。まさしく、名実ともに現役最強馬が生まれた瞬間でした。

「エフフォーリアの強さは本物だ!」――そう確信できたレースということで、有馬記念を2位にしました。

 そして3位は、タイトルホルダーが鮮やかな逃げ切り勝ちを収めた菊花賞です。後続に5馬身差をつける圧勝劇には惚れ惚れしました。

 ほとんどの3歳馬にとって、芝3000mは未知の距離。逃げきって勝つことは容易ではありません。にもかかわらず、タイトルホルダーはずっと気持ちよさそうに芝の上を駆けていました。

 そんな姿を見ながら「このまま行っちゃうの?」と思ったのも束の間、最後は「うわっ、勝っちゃった!」という圧巻のラストスパートを披露。直線を迎えて、2着以下をグングン引き離していったすばらしい走りは、いまだ脳裏に焼きついて離れません。

 そのタイトルホルダーのすごさと同時に、菊花賞は横山武史騎手の急成長ぶりを物語るレースでもあったと思っています。

 昨年一年間を振り返ると、いろんなジョッキーの活躍がありましたが、なかでも際立っていたのが、横山武史騎手。自他ともに認める飛躍の一年だったのではないでしょうか。

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