今年も超豪華メンバーが顔をそろえた有馬記念。堤礼実アナが注目している馬とは? (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi


 そしてもう1頭、2年連続の春秋グランプリ制覇がかかるクロノジェネシスからも目が離せません。

 前走の凱旋門賞はきっと満足できる結果ではなかったと思います。それでも、世界最高峰のレースを経験したクロノジェネシスが日本でどんな走りを見せてくれるのか、必見です。

 しかも、クロノジェンシスは有馬記念を最後に引退することが決まっています。単純な私は「引退レース」と聞くだけで、自然と応援してしまいます。

 引退レースと言えば、キセキも有馬記念がラストランとなります。私の中では、キセキは"一流のエンターテイナー"。リズムよく先手を奪って勝敗に絡む逃げ粘りを見せたり、大逃げを打ってハイレベルなレースの激闘を演出したり、レースの展開のカギを握ることが多い馬でした。

 長年、競馬界を盛り上げてくれた"功労馬"。そんな存在がいなくなってしまうのは、とても寂しく感じます。

 それにしてもこの秋は、ジャパンCのコントレイル、マイルCSのグランアレグリアと、引退する馬が最後に有終の美を飾るケースが続いています。いずれも、競走馬としての集大成という言葉がぴったりの、美しい走りを最後に見せてくれました。

 私たちは「有終の美」という言葉を当たり前のように使ってしまいますが、どんな名馬であっても、そう簡単にできることではありません。そういう意味では、馬自身はもちろんですが、レースに向けて万全の態勢を整えてこられた調教師や厩舎スタッフ、牧場スタッフや騎手など、陣営の方々の日々の努力や尽力には、頭が下がる思いです。

 また、コントレイルやグランアレグリアをはじめ、近年で数々の快挙を果たした名馬たちは、コロナ禍という暗い世の中に明るい光を差し込んでくれました。そうした面々が引退することは、ひとつの時代が終わりを迎えているようで、感慨深いものがあります。

 当然寂しい気持ちはありますが、一方で、次々に偉業が成し遂げられた特別な時代に立ち合えたことを、このうえない幸せと感じています。

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