年末にデビュー予定の良血馬ミルヴィオ。手塚調教師は「奥行きがある」と期待 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

 そうした血統背景を持つミルヴィオは、12月28日の2歳新馬(中山・芝2000m)で初陣を迎える予定。直前の雰囲気はどうなのか。関東競馬専門紙がその様子を伝える。

「手塚調教師の期待は高く、『血統はいいし、奥行きもありそう』とのこと。馬体重も500kgほどと、牝馬にしては雄大で『いいモノを持っていそう』と歯切れのいいコメントが聞かれました」

 ただ、デビュー戦に向けての勝ち負けについては、陣営も慎重な構えを見せているという。スタッフによると、勝利へのこだわりよりも「レースをこなすことによって、この馬の走りを身につけてほしい」という考えがあるようだ。先述のトラックマンがその理由を補足する。

「スタッフの話では、調教などの走りを見ていても『まだ目覚めていない部分がある』とか。ふだんもおっとりしていて、スイッチが入っていない雰囲気が感じられるみたいです。それでも、『レースを使うなかでピリッとしてくれば、いい方向に向かうのでは』と言っていました」

 何はともあれ、血統や馬体面を見れば、ミルヴィオが高い素質を秘めていることは間違いない。スタッフがもうひとつ上を求めているのも、それがわかっているからだろう。まずは実戦でどんな走りを見せるのか、注目したい。

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