新旧ダービー馬による「2強」対決に沸くジャパンC。舞台が合うかつてのダービー馬も要注意 (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 復活へ向けて、陣営も何かしらの策を講じたのかもしれません。前走のGII京都大賞典(10月10日/阪神・芝2400m)で5年ぶりの勝利を決めたマカヒキ(牡8歳)と同様、近いうちにどこかでもうひと花咲かせる場面があると睨んでいます。

 前走のこの秋初戦も、同馬にとってキャリア初となるマイル戦から始動しましたが、それも「スピード競馬に馴らせよう」といった陣営の意図があったのではないでしょうか。だとすれば、忙しい競馬をさせたことが、本番となる今回の舞台に生かされるのではないかと見ています。

 また、古馬になってから成績が上がらなかった理由として、出走するコース、条件が不向きだったとも考えられます。特に阪神の内回りは、この馬の走りからして合わないように思え、昨春から今春にかけて結果が出なかったことも仕方がないのかな、と思っています。

 しかし東京・芝2400mにおいては、ダービー勝ちに、2019年のジャパンC3着と、2戦とも馬券に絡んで適性の高さは実証済み。今回、戸崎圭太騎手が初めて手綱を取りますが、これまでの先入観がない分、かえっていいほうに出るかもしれません。大幅な変わり身があっても驚けませんよ。

 3歳と4歳の新旧ダービー馬による対決が脚光を浴びていますが、この馬もダービー馬としての意地があるはず。ということで、ノドの手術によって立て直しが図られたワグネリアンを、今回の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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