3歳馬にはハードル高いジャパンC。今年のダービー馬シャフリヤールに勝機はあるか (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Sankei Visual

 こうした疑問や懸念に対して、関西の競馬専門紙記者はこう反論する。

「神戸新聞杯は負けて"正解"でした。あのレースの上位馬は、続くGI菊花賞でことごとく敗れています。勝ったステラヴェローチェが4着。2、3着馬に至ってはふた桁着順に沈む惨敗でした。それは、神戸新聞杯における不良馬場で好走した反動があったと見るべきでしょう。

 その点、シャフリヤールは無理に勝ちにいくようなレースをしませんでしたからね。ダメージはほとんどなかったと見ていいでしょう。4着という結果も、5馬身差という着差も、ノーカウントでいいと思います」

 もともとキャリア3戦目のGIII毎日杯(3月27日/阪神・芝1800m)で、驚異的なレコードをマークして勝ったスピードタイプ。神戸新聞杯の不良馬場ではまったく力を出せなかった。ゆえに、先の専門紙記者が言うとおり、その一戦は度外視していいのかもしれない。

 それに、シャフリヤールは当初から菊花賞に出るつもりはなく、神戸新聞杯のあとはジャパンC出走を想定していたという。その分、レース間隔は長くとれるし、たとえダメージがあったとしても、回復のための時間的な余裕は十分にあった。

 だとすれば、シャフリヤールにとって、ジャパンCは持てる能力を最大限に発揮できる舞台となるはずだ。それが実現した時の強さは、今さら言うまでもないだろう。

 また、今年は秋のGIシリーズでも3歳馬が奮闘しており、「強い3歳世代」と言われている。その代表格が、エフフォーリア。「3強対決」で沸いたGI天皇賞・秋で、昨年の三冠馬コントレイル、女傑グランアレグリアを一蹴した。

 そのエフフォーリアも、全6戦のキャリアで一度だけ苦杯をなめている。それが、今年の日本ダービー。先着を許したのは、シャフリヤールである。

 単純比較で言えば、シャフリヤールは「強い3歳世代」最強のエフフォーリアの上。つまり、古馬一線級相手にもヒケをとらない――そんな計算が成り立つ。

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