マイルCSは安泰ムード。もし「3強」の一角崩しがあるなら、代打騎乗で一発秘めるGI馬

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Kyodo News

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 秋のGIシリーズはここまで1番人気が5連敗中。先週のGIエリザベス女王杯は大波乱となりましたが、今週のGIマイルCS(11月21日/阪神・芝1600m)は堅い決着に収まりそうな気がしています。

 というのも、エリザベス女王杯は人気上位馬がいずれも多少の不安材料を抱えていましたが、マイルCSで上位人気が予想される馬たちからは心配な面がほとんど見当たらないからです。僕の見立てでは「3強」というジャッジで、3週前のGI天皇賞・秋に近いイメージを抱いています。

 その「3強」とは、春のGI安田記念(6月6日/東京・芝1600m)においてゴール前で叩き合いを演じた2~4着馬。グランアレグリア(牝5歳)、シュネルマイスター(牡3歳)、インディチャンプ(牡6歳)の3頭です。

 春の安田記念と秋のマイルCS。この2つのレースは昔から「両方勝つのが難しい」と言われています。その理由は、競馬場が違うのはもちろんのこと、コースレイアウトがまったく異なる舞台設定になっているからです。とりわけ、マイルCSの舞台となる京都の外回りは、3~4コーナーにかけて登って下るという特殊な形態で、得手不得手が分かれるコースと言われているので、なおさらです。

 しかし、みなさんもご存知のとおり、京都競馬場の改修工事により、マイルCSは今年も昨年と同じく阪神競馬場で開催。阪神の芝1600mは直線が長くて、東京・芝1600mでの結果がそのまま反映されやすいと言われています。つまり、「東京・芝1600mで強い競馬ができれば、阪神・芝1600mでも好結果を出す可能性が高い」と考えていいのではないでしょうか。

 現に昨年も、安田記念を制したグランアレグリアが1着、同3着のインディチャンプが2着と、マイルCSでワンツーフィニッシュを決めました。今回も同じようなシーンの再現があっても不思議ではありません。

 シュネルマイスターは今回が初の阪神となりますが、3歳春の時点で東京・芝1600mのレースにおいて1分31秒台の好時計を2度もマーク。そうした実績を鑑みれば、グランアレグリア、インディチャンプと同レベルの能力の持ち主と考えていいでしょう。

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