マイルCS連覇でグランアレグリアは有終の美を飾るか。データで見るラストランの展望ともう1頭の注目馬 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 今回は秋2戦目で、前走のGⅠ天皇賞・秋では2着コントレイルにクビ差の3着とまずまずの走りだった。春とは事情が異なるため、今回は期待してよさそう。引退レースでの快走が見たいところだ。

 もう1頭、このレースに縁がある馬としてケイデンスコール(牡5歳/栗東・安田隆行厩舎)を挙げておきたい。3代母ベルベットサッシュの全兄サッカーボーイが、1988年のこのレースを4馬身差で圧勝。その甥にGⅠ香港ヴァーズのステイゴールド、GⅠジャパンCのショウナンパンドラなどがいる名門牝系の出身だ。

 父ロードカナロアはマイルチャンピオンシップには出走歴がないが、GⅠ香港スプリントなどの1200mGⅠ5勝のほか、マイルでもGⅠ安田記念を勝利。産駒はステルヴィオがこのレースを勝っている。

サッカーボーイ、ステルヴィオが勝利したレースは京都競馬場で行なわれたためコースは異なる。しかし先週はクラヴェルが、阪神で開催されたエリザベス女王杯で、祖母ディアデラノビアと母ディアデラマドレ(共に当時は京都コース)に続いて3着になり、「母仔3代3着」を果たした。レースが同じなら、細かいことを気にする必要がないこともある。

 ケイデンスコール自身も、この阪神/芝1600mは今春のGⅡマイラーズCを1分31秒4と、レコードに0秒3差の好時計で勝利。この時計はマイルチャンピオンシップではレースレコードになる計算だ。前走のGⅡ毎日王冠(東京/芝1800m)は9着に敗れたが、ベストは全4勝のマイル戦だけに、ひと叩きして距離短縮の今回、変わってくるだろう。

 以上、今年のマイルチャンピオンシップは、引退するグランアレグリア、ケイデンスコールの2頭に注目する。

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