ウマ娘でも描かれるライバル関係。オグリキャップVSバンブーメモリーなどマイルCSで生まれた数々の名勝負 (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

 1991年のライバルはダイイチルビー。「華麗なる一族」と言われた牝系出身で、ダイタクヘリオスとは8度にわたり短距離で対戦。たびたび1、2着を分け合ったことから、2頭の仲のよさがマンガの題材になったほど。

 そしてこのマイルCSでは、ダイタクヘリオスが完璧なレースぶりでライバルを退けた。先行して3〜4コーナーで早め先頭に立つと、1番人気ダイイチルビーに2馬身半の差をつけたのである。

 続く1992年は、2個下の外国産牝馬シンコウラブリイが相手だった。こちらもマイルでは絶大な強さを誇った1頭。マイルCSまで4連勝と破竹の強さを見せていた。

 しかし、ここでも強き牝馬を負かしたのがダイタクヘリオス。まるで昨年のリプレイのように、先に抜け出して1番人気のシンコウラブリイを封じ込めた。シンコウラブリイが懸命に追い上げて2着を確保するところまで昨年と似ていた。

 成績にムラのあるダイタクヘリオスだったが、この2戦は直線までうまくスピードをコントロールし、ベストな競馬をしたのが印象に残る。

 最後に触れたいのは1994年。ノースフライトVSサクラバクシンオーの対決である。

 ウマ娘を知っている人からすれば、サクラバクシンオーは1200mのスプリント戦が得意なキャラとして定着しているはず。そんな希代の快速馬にとって、現役時代に宿敵だったのがノースフライトだ。

 前年(1993年)の5月にデビューしたばかりのノースフライトは、瞬く間にマイルの女王として君臨。1年後の1994年5月には、安田記念を制していた。一方、サクラバクシンオーはさらに短いスプリント路線で強さを誇り王者に君臨していた。

 1200mと1600m。競馬では、この400mに大きな差がある。違うカテゴリの王者が交わったらどちらが強いのか。そんなファンの思いに応えるように、2頭は3度にわたり対決した。

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