アルゼンチン共和国杯は血統ロマンを追う。飛躍に期待の「ニューヒーロー候補」は? (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 ムッシュシェクルの父リアルシャダイは、スクリーンヒーローと同じロベルト系の種牡馬。フライライクバードはスクリーンヒーロー×シンボリクリスエスというロベルト系同士の配合で、祖母の父はムッシュシェクルの母の父ノーザンテースト。28年も昔の馬との比較だが、血統のアウトラインは受け継いでおり、ただの偶然とは思えない。父系、母系ともにこのレースとの関連性が極めて深いフライライクバードには、このレースをきっかけに大きく飛躍し、「歴史は繰り返す」「これぞ血統のロマン」と思わせてくれることを期待したい。

 もう1頭、ニュースター候補として注目したいのがアイアンバローズ(牡4歳/栗東・上村洋行厩舎)だ。同馬は今年5月、3勝クラスの緑風S(東京/芝2400m)を勝ってオープン入り。前走のGⅡ京都大賞典は3番人気に推されながら12着と敗れたが、今回は約5カ月ぶりのレースで馬体重プラス18キロ。ひと叩きして変わってくるはずだ。

 父オルフェーヴルの産駒は、オーソリティが昨年のこのレースを勝利。さらに兄パレスマリスは米クラシック三冠のひとつである米GⅠベルモントS(ダート12F)勝ち馬という良血だ。コース適性もあり、ここで素質開花しても驚きはない。

 以上、今年のアルゼンチン共和国杯はフライライクバード、アイアンバローズの2頭に期待したい。

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